離島上陸を迎撃 御殿場で富士総合火力演習 陸上自衛隊

 陸上自衛隊は27日、国内最大級の実弾射撃演習「富士総合火力演習」(総火演)を御殿場市の東富士演習場畑岡地区で実施した。離島上陸を試みる敵を迎え撃つ想定で、海上自衛隊や航空自衛隊と連携した対艦戦闘、地上部隊による敵の着上陸阻止、水陸両用・空挺(くうてい)作戦による撃破条件の作成、増援部隊による敵撃破など諸職種協同の戦闘要領を披露した。

走行しながらの射撃を行う最新国産主力戦車の10式戦車=27日午前10時40分ごろ、御殿場市の東富士演習場
走行しながらの射撃を行う最新国産主力戦車の10式戦車=27日午前10時40分ごろ、御殿場市の東富士演習場

 中域用無人偵察機「スキャンイーグル」や電波情報を取得する車載型ネットワークシステム(NEWS)などの技術も活用して情報を迅速かつ的確に収集。戦車や装甲車、火砲、ヘリコプターなどが次々と登場し、敵部隊に見立てた目標に銃弾やミサイルを撃ち込んだ。研究開発中の小型攻撃用無人航空機を使った戦闘や情報収集から敵の発見、攻撃、撃破までの一連のプロセスをデジタル化で高速化する最新鋭の戦い方についての説明も行った。
 昼間演習で弾薬を約39・9トン(8・5億円相当)、夜間演習で約17・3トン(2・2億円相当)を使用。演習部隊は統裁部を含め隊員3400人で、戦車35両と各種火砲64門を投入した。浜田靖一防衛大臣らが現地で視察した。
 陸上自衛隊は本年度以降、厳しい安全保障環境を踏まえた防衛力強化に向け、これまで会場運営に当たってきた部隊も教育訓練に集中するために総火演を一般公開しない方針を示した。インターネット上でのライブ中継は行われた。

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