御殿場でJA協同サービス 先進農業の実証開始 ドローンなど活用

 JAふじ伊豆の子会社のJA協同サービス(山口正宏社長)はこのほど、稲の種子を直接水田にまく直播(ちょくはん)向けの種子「リゾケアXL」やドローンを活用した先進農業の実証実験を御殿場市中山の水田で始めた。同種子による稲作は県東部で初といい、省力化や効率化が図られた新しい農業の方法を探る。

コシヒカリのリゾケア種子を水田にまくドローン=御殿場市中山
コシヒカリのリゾケア種子を水田にまくドローン=御殿場市中山


 リゾケアXLは酸素供給や害虫防除、苗腐病対策などの薬剤がコーティングされた直播用種子で、安定した苗立ちの確保が期待される。全国で導入が広がっているが、県内では使用事例が少なくデータも集まっていないという。ドローンで水田に直接まくことで育苗の設備や経費、田植えの機器の運搬や労力、時間などの大幅な削減が見込める。
 同日は3千平方メートルの水田にコシヒカリのリゾケア種子をじかまきした。ドローンが水田上を約2メートルの高さで飛び、積み込んだ種子を効率よくまいた。田植え機では約2~3時間かかる作業を約10分で終わらせた。
 実証実験では衛星利用測位システム(GPS)を用いた半自動運転のトラクターや無線操縦の草刈り機なども導入。ドローンによる農薬散布も行うという。山口社長は「新しい農業の形を見つけ、担い手不足を解決したいという強い思いがある。荒廃農地の課題の改善などにもつなげていけたら」と話す。

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