園児の個性を動画解析 磐田市、保育の質向上へ 企業と実証実験

 磐田市は6月中旬から、スタートアップ(新興企業)のエフバイタル(東京都)と共同で、保育中の様子を撮影した動画から人工知能(AI)で園児の行動の特徴や傾向を解析する実証実験に取り組む。園児の特性に合わせた個別対応型保育の実現など、保育の質向上につなげる。

安島社長(右)と協定書を交わす草地市長=磐田市役所
安島社長(右)と協定書を交わす草地市長=磐田市役所

 エフバイタルは乳幼児のバイタルセンシング技術を開発している。市と同社は31日、共同研究に向けた連携協定を結んだ。同社が自治体と協定を結ぶのは全国2例目。実証実験に必要なシステムを無償提供する。
 実証実験は福田こども園で、感情の言語化が難しい0~2歳児の3クラスを対象に実施する。保育室の様子をカメラで撮影し、自由遊びや絵本の読み聞かせなどの際の園児の挙動や表情から、AIが喜びや楽しみなどの感情を解析する。
 3週間程度かけてデータを収集し、8月末までに解析結果をまとめる。同園では結果を職員の研修などに役立てる予定という。市は実効性や費用対効果を検証し、本格導入するかどうかを検討する。
 協定締結式で、安島真澄社長は「子どもが言葉にできない個性を可視化し、保育士と保護者の共通理解や、個性に対応した保育につなげたい」と述べた。草地博昭市長は「データを活用して子どもたちの環境をより良くしていきたい」と期待した。
 (磐田支局・八木敬介)

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