菓子作り、衰えぬ探究心 イタリア・ジェラート大会挑戦 静岡の牧野さん

 静岡市内に9店舗を展開する洋菓子店「ぷるみえーる」のオーナーシェフ牧野良弘さん(64)が8日から10日までジェラートの本場イタリアで開かれる大会に参加する。還暦を過ぎて、なお衰えない菓子作りへの探究心で舌の肥えた現地ファンに挑む。

イタリアのジェラート大会で出品する濃厚な甘みが特徴の「ジャンドゥヤ」=6月初旬、静岡市駿河区の「ぷるみえーる」
イタリアのジェラート大会で出品する濃厚な甘みが特徴の「ジャンドゥヤ」=6月初旬、静岡市駿河区の「ぷるみえーる」


 牧野さんが参加する「アグリアーノ・ジェラートフェスティバル」はイタリアンジェラート職人の登竜門とされる大会。イタリア国内を中心に約20人が出場し、日本からは牧野さんを含め2人が参加を予定する。3日間でジェラート約150リットルを作り、審査員や来場者に提供する。
 出品するジェラートは、ヘーゼルナッツとミルクチョコを混ぜた「ジャンドゥヤ」。イタリア人の好みに合わせた濃厚な甘みが特徴で、カスタード風味のソースにきな粉と砕いたピスタチオをアクセントに添える。牧野さんによると、現地では味や風味に加え、ジェラート断面の美しさが評価のポイントになるという。固すぎず柔らかすぎない断面を作るために、糖分の配合と温度管理に徹底的にこだわる。
 牧野さんは1月にイタリアで行われた洋菓子の国際展示会で、ジェラート(シャーベット)部門の世界3位に輝いた実績を持つ。10月には同国シチリア諸島で行われる世界最大のジェラートコンテストへの出場も目指している。
 菓子職人になって35年。牧野さんは「集大成として入賞したいが、それよりも挑戦する姿勢をスタッフに伝えたい」と力強く語った。

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