傘の売り上げ好調 行動制限解けた夏 男性の日傘需要が下支え

 新型コロナウイルスの流行による行動制限が解けた今年は、傘の売り上げが好調だ。外出機会の増加に加え、熱中症や日焼け対策として日傘を使う男性が増えていることも背景にある。静岡県内の小売店では性別を問わずに使える晴雨兼用傘などを中心に、機能性と手頃な値段を兼ね備えた商品が人気を集める。

小売店の傘コーナー。大きめの晴雨兼用傘が性別を問わず人気という=6月中旬、静岡市葵区の三保原屋
小売店の傘コーナー。大きめの晴雨兼用傘が性別を問わず人気という=6月中旬、静岡市葵区の三保原屋

 静岡市葵区の家庭用品店「三保原屋」では今シーズン、傘の売り上げが前年の2倍近くに伸長している。下支えしているのは男性や、高校生など学生の日傘需要。堀高輔常務(36)は「暑さの厳しい夏が続くこともあり、日傘は誰もが使うものになりつつある。それに応じて商品も変化している」と話す。
 同店の売れ筋は55センチ以上の晴雨兼用長傘で、価格は2千~3千円程度が中心。従来より大ぶりが好まれ、色はグレーやカーキ、ベージュといった単色が人気。生地の内側に光を吸収する黒いコーティングを施した商品も多く、機能性とスタイリッシュな雰囲気が男女ともに支持されている。
 日焼けを防止するUV(紫外線)カット機能に加え、暑さに耐えられるよう遮熱効果を強化した商品も増える。骨の構造の工夫による耐風性強化や軽量化も進み、「手頃な価格の商品でも高機能化している」(堀常務)という。
 浜松市中区の「ハンズ浜松店」は、需要増を見込んで日傘コーナーを昨年より早い3月に設置し、売り上げは好調。傘全体で前年の約3倍に伸びている。日傘は機能性の高い晴雨兼用傘が主流で、男性仕様の単色でシンプルなタイプもじわじわ販売数を伸ばす。
 静岡市葵区の傘専門店「藤田屋」では昨シーズン、男性向け日傘の売り上げが急増した。今年も堅調で、6月は父の日の贈り物としての購入も目立った。全天候型の折り畳み傘がけん引役で、表が水色や薄いグリーンなどの淡色、裏が黒地の商品が好評だ。藤田仁子専務(61)は「男性向けも色が多彩になり、選択肢が増えている」と話す。

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