ミニトマト生産、営農後押し 他業種から農家に57人 JAふじ伊豆

 JAふじ伊豆の伊豆の国地区にこのほど、他業種から農業に転身した57人の「ニューファーマー」(新規就農者)が誕生し、全員がミニトマトを生産する同JA果菜委員会に入会した。県内の各生産部会ではニューファーマーは5~10人程度。出身、前職はばらばらで農業未経験ながらも、支援制度や生産に適した恵まれた環境で安定した農業経営を目指す。

新規就農者で現在研修生の指導も行う高橋純哉さん(右)=伊豆の国市内
新規就農者で現在研修生の指導も行う高橋純哉さん(右)=伊豆の国市内

 高橋純哉さん(43)=伊豆の国市=は神奈川県出身でシステムエンジニアだったが、30歳を機に独立を決意。面積当たりの収入が高い野菜としてミニトマトがあったため、同市への移住を選択した。
 自立就農をサポートする県の「がんばる新農業人支援事業」を受けて、農業経営者の下で約1年間研修に励んだ。「研修後は果菜委員会に所属できたり農地の確保があったりして独立のめどが立てやすかった」と振り返る。
 関野陽平さん(36)=同市=は研修を終え2年前に独立した。研修中の補助金制度や就農時の書類記入の支援が充実していたという。「農業経営のシミュレーションについて直々に指導を受け、流れが分かりやすかった」と当時を語る。
 同事業は自治体、農協、指導農家が就農者をサポート。2カ月の事前研修の後、実践研修として1年間指導農家に付いて就農準備を行う。
 県東部農林事務所の大宮琢磨生産基盤班長(50)によると、実践研修後、ほぼ100%が就農するという。「ハウスや農地、販売流通で営農の収支モデルが早い段階から確立されていた。新規就農者が多くなってきて生活面の相談もしやすくなっている」と話す。
 現在研修生の指導も行う高橋さんは、ミニトマトの普及と地域活性化が目標と意気込む。「独立させてミニトマトのおいしさを県内に広めることはもちろん、地域を盛り上げてくれる人材を育てたい」と見据える。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞