ヤマハ発 プール事業撤退 需要減で採算維持困難に

 ヤマハ発動機は3日、プール事業から撤退すると発表した。2024年3月末で営業活動を終了する。少子化などに伴う需要減少で、今後の採算維持が困難と判断した。
 同社はボートの船体製造で培ったFRP(繊維強化プラスチック)の加工技術を生かし、1974年に日本初のオールFRP製プールを製品化した。以来、学校やレジャー、フィットネス向けなどのプールを国内で販売してきた。同社によると、20メートル以上のスクールプールは累計出荷6500基を超え、国内シェアトップという。
 一方、少子化の影響で学校の統廃合が進むなど需要は落ち込み、ピークの2005年に71億円だった売上高が、ここ10年ほどは約40億円で推移していた。22年はコロナ禍の影響もあって赤字に転落。23年も赤字の見通しという。
 こうした状況で安定した黒字確保は難しいとみて、既存事業や新たな成長事業に経営資源を集中させるため、撤退を決めた。同社は6月下旬にもスノーモービル事業の撤退を発表している。
 同社はマリン製品などを手がける新居事業所(湖西市)でプールを開発・生産している。撤退後も納入したプール本体などのアフターサービスは継続する。
 (磐田支局・八木敬介)

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