静岡人インタビュー「この人」 幼稚園で外国籍の子どもたちの通訳をする アガラノ娃肥さん(沼津市)
外国籍の園児が約35%を占める清水町立清水西幼稚園で、昨年からフィリピン語と英語での通訳を担当している。保育の補助も行っている。フィリピン・アンティポロ出身。33歳。
-仕事内容は。
「年少のクラスをメインに外国籍の子どもたちの通訳をしている。保護者とコミュニケーションもとっていて、お便りの翻訳や先生との通訳、保護者用メール登録の仕方の案内も行う。職員や保護者には、来てくれて助かる、と言ってもらえた。子どもたちと関わるのは楽しく、お母さんたちが安心している姿を見るとうれしい」
-仕事の難しさや感じることは。
「保護者の中には、日本の教育を受けさせたいというよりも、預かってもらえればいいと考える人もいる。日本での社会生活のルールを身に付ける幼児教育を理解してもらうのが、大変な場合もある。保護者には幼稚園に通う目的を明確にしてほしいと思う。幼稚園は日本の教育のスタート地点。子どもたちには日本のルールや文化も覚えてほしいと思い、接している」
-通訳に就いた経緯は。
「大学で観光を学んだ後、日本に暮らしていた母に勧められて2010年、来日した。日本語学校、短大で勉強した。ルールを守る人が多いことや安全なところが気に入り、翻訳や外国語指導助手(ALT)、子どもたちの英会話講師などの職に就いた」
-今後の目標は。
「教育の知識を磨きたい。保護者らの悩みをちゃんと聞いてあげられる存在になりたいと思っている。語学を生かしてスキルアップし、フィリピンだけでなくアジアの人たちの役に立てたら」
(東部総局・山本萌絵佳)