読書活動で文科大臣表彰 子に合わせ本選定、ボランティアと連携 御殿場・原里小

 御殿場市の原里小がこのほど、子どもたちの読書活動推進の優秀実践校として文部科学大臣表彰を受賞した。教員が児童の発達段階に合わせてお勧めの本を選定する「原里小100選」のコーナーの設置や、地域の図書ボランティアと連携した読書意欲向上の企画などユニークな取り組みが高い評価を受けた。

図書ボランティア「かぐや姫」による読み聞かせ活動=御殿場市の原里小
図書ボランティア「かぐや姫」による読み聞かせ活動=御殿場市の原里小

 同校図書室の原里小100選のコーナーでは、教員が選定した低学年向けの絵本や生き物の本、高学年向けの伝記や科学に関する本など多彩な難易度、ジャンルの本が並び、子どもたちが自分に合った本を見つけやすい環境を整えている。各教科の学習の流れに合わせて関連する書籍を定期的に入れ替えながら置くことで子どもたちの興味関心を高め、学びを広げている。
 児童の保護者を中心とした図書ボランティアとの連携も密。ボランティアグループ「かぐや姫」は2、3週間に1度、読み聞かせを実施している。図書室の季節の装飾やレイアウトを担当する「しらゆき姫」は、図書委員の児童らと一緒にイベントを展開。「動物」「植物」などテーマを決め、関連本を借りた冊数に応じて達成賞を与える企画「テーマチャレンジ」など、本を借りたくなるような仕掛けをつくっている。
 ボランティア全体をまとめる橋本悦子さん(47)は「楽しいことがないと図書室に来ない子もいる。企画で本を手にするきっかけを作り、本自体への興味を高めてもらえたら」と語る。
 国のギガスクール構想などにより小学生もデジタル端末を身近なものとして捉えるようになった一方、教育現場では子どもの活字離れへの懸念の声も上がっている。同校の三井由香教頭は「ページをめくり、本を読むことの楽しさや良さを子どもたちに伝える工夫を重ねていきたい」と話す。
 (御殿場支局・塩谷将広)

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