サッカー女子W杯 日本初戦へ 御殿場ゆかり5選手応援 JFAアカデミー福島出身

 オーストラリアとニュージーランドを舞台に開幕したサッカー女子ワールドカップ(W杯)で、御殿場市にゆかりのある「JFAアカデミー福島」出身の5選手が日本代表メンバーに選出されたことを受け、同市が選手や大会のPR活動に力を注いでいる。東日本大震災の後に同市に移住し、地域の盛り上げにも貢献してきた選手たちの背中を押そうと、市民一体の応援ムードの醸成を図っている。

玄関ホールで開催されているサッカー女子日本代表の写真展=21日午前、御殿場市役所
玄関ホールで開催されているサッカー女子日本代表の写真展=21日午前、御殿場市役所
応援看板を設置したJR御殿場駅富士山口階段のイメージ図(御殿場市提供)
応援看板を設置したJR御殿場駅富士山口階段のイメージ図(御殿場市提供)
玄関ホールで開催されているサッカー女子日本代表の写真展=21日午前、御殿場市役所
応援看板を設置したJR御殿場駅富士山口階段のイメージ図(御殿場市提供)


特設サイトや写真展 市挙げエール
 同アカデミーは11年3月の東日本大震災の影響で福島県での活動が困難になったが、同市の御殿場高原時之栖が125人のアカデミー生らを全員受け入れたことで活動を継続した経緯がある。代表に選ばれた同アカデミー出身者は三宅史織選手、平尾知佳選手、守屋都弥選手、遠藤純選手、石川璃音選手の5人。女子チームは15年に裾野市に拠点を移したが、平尾選手、守屋選手、遠藤選手は御殿場市の富士岡中を卒業し、三宅選手も同市での活動を経験するなど深い縁がある。
 同市は、5選手を「市応援アスリート」に指定。市とアカデミーの関係や一人一人のプロフィル、特徴などをまとめた特設サイトを立ち上げた。市役所玄関ホールで日本代表選手たちの写真展を開いているほか、東館に応援懸垂幕を飾り付けて地元ゆかりの選手たちのメンバー入りをPR。22日の初戦に合わせ、JR御殿場駅富士山口階段に縦2・5メートル、横7・2メートルの大型の応援看板も設置する。
 勝又正美市長は「選手たちは御殿場の祭りに参加するなど地域づくりにも貢献してくれた」と感謝を語る。「市内には学校の同級生や触れ合いのあった人も多く、盛り上がりは高い。地域一体で応援したい」と力を込める。
 (御殿場支局・塩谷将広)

5人選出「地域の優しさの結晶」 御殿場の活動支えた時之栖
 JFAアカデミー福島出身の選手5人がメンバー入りした女子日本代表「なでしこジャパン」の22日の初戦を前に、同アカデミーの御殿場市での活動を支え続けてきた時之栖の関係者からも期待の声が上がる。
 「大変な時期を乗り越えて5人の選手が代表に選ばれたことは、我々にとってもうれしい」。庄司政史社長は感慨深げだ。東日本大震災後、アカデミー生の宿舎や練習環境の整備、地元学校への転入など山積みの課題解決に奔走したことを振り返り、「多くの方々の協力で、受け入れが実現した。5人選出という結果は地域の優しい思いの結晶だと思う」と語る。
 同アカデミーの女子統括ディレクターを務める山口隆文さんは、「御殿場地域からの応援は温かく、本当にありがたい。選手たちには個々の持ち味を発揮して戦ってほしい」と話した。

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