新コースター「ZOKKON」登場 富士急ハイランド12年ぶり

 富士急行は行動制限の緩和に伴うレジャー・旅行需要の回復を追い風に、富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)の集客力を高めている。12年ぶり導入の大型コースター「ZOKKON(ぞっこん)」の営業をこのほど始めた。他にもアトラクションの新設やリニューアルが続き、幅広い客層の取り込みを図る。

12年ぶりに導入した大型コースター「ZOKKON」=山梨県富士吉田市
12年ぶりに導入した大型コースター「ZOKKON」=山梨県富士吉田市

 ZOKKONはハイランドのアトラクションとして過去最大の総工費約45億円を投じた。絶叫アトラクションの位置付けだが、他に比べて高さや最高速度は抑え、絶叫系を避けている人や未経験者といった新たな需要を喚起する。リズミカルな響きで外国人にも覚えやすい名称には、ジェットコースターや遊園地好きを世界中に増やしたいとの思いを込めた。足元では「1割くらい」(同社)という外国人客に訴求する。
 20日は、シアターライドアトラクション「富士飛行社」の映像を、人気アニメ「進撃の巨人」とコラボした内容に一新。15日にはトーマスランド内にミニコースターをオープンし、ミッションをクリアしながら進むアトラクション「絶望要塞(ようさい)」のリニューアルも控える。
 周辺施設を含む年間入場者はコロナ禍前、230万人前後で推移していた。ハイランドの入園料を無料にした18年度は約280万人に増えたが、コロナ禍で一気に落ち込んだ。行動制限がなくなり「やっと投資ができる環境になった。(新設や更新が)ここまで集中することはない」と広報担当者。ハイランドの松村武明社長はホテルなどの周辺施設を含む入場者数を「近い将来、過去最多にしたい」と言葉に力を込める。

 急加速、急旋回続く
 ZOKKONはバイク型のライドで、急加速や急旋回を繰り返す。暗闇の通り抜けや逆走、空に放り出されるように感じる仕掛けなどがあり、スリルや爽快感を味わえる。人気バンド「SEKAI NO OWARI」のオリジナル楽曲が足元のスピーカーから流れ、雰囲気を盛り上げる。最初の体験者となった東京都新宿区の女性会社員(25)は「バイクで空中を走っているような、今までのジェットコースターにはない感覚。いろいろな動きが楽しめる」と興奮気味に話した。

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