78歳で大学院修了 御殿場の建築士・勝又さん「学びを地域へ」

 御殿場市の1級建築士勝又重春さん(78)が3月、通信制の京都芸術大大学院芸術環境専攻の修士課程を修了した。自身が「ライフワーク」と語るまちづくりへの探究心から学びに励んだ。知識を地域に還元しようと、7月26日に御殿場西高生を対象としたまちづくりの勉強会を開催する。

3月に大学院を修了し、高校生を対象とした勉強会を開く勝又さん=御殿場市新橋
3月に大学院を修了し、高校生を対象とした勉強会を開く勝又さん=御殿場市新橋

 勝又さんはこれまで、同市のまちづくりに関する数々の協議会や委員会に参加してきた。その中で建築士としての見方だけでなく、芸術の視点と合わせて御殿場の未来を考える力を養いたいと約10年前に同大に入学した。卒業後、地域の人や物、風土を育てる意味での芸術について深く勉強するため、2020年4月に同大大学院に入学した。
 リモートを中心に授業を受けながら、市都市計画マスタープラン(基本計画)=2021~40年度=の懇話会の座長も務めた。「農業や緑地に関する分野で学んだ知識が役に立った」と手応えを感じた場面もあったという。修士論文は同市の日垣田地区に残る田園風景の大切さや市街化が進む中での地区のあり方を芸術の観点を交えて考察し、同院独自の「芸術教育士1級」の認定も受けた。
 御殿場西高生との勉強会では、同地区を例に挙げ、田園地の未来像を高校生が考える機会をつくる。まちづくりでは「協働」「ひとづくり」が重要なキーワードになることも伝える。勝又さんは「高校生との勉強会を第一歩として、自分の学びを地域に生かす方法を考えていきたい」と話す。
 (御殿場支局・塩谷将広)

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