「ふくろい遠州の花火」初ライブ配信も 29日、4年ぶり開催 準備入念

 静岡県を代表する夏の風物詩「全国花火名人選抜競技大会 ふくろい遠州の花火」(実行委員会主催、静岡新聞社・静岡放送共催)が29日、袋井市の原野谷川親水公園で4年ぶりに開催される。地元住民、事業者にとって待望の復活となる一方、安全対策などの課題も多い。本番当日に向け、入念な準備に努め、広報活動にも力を入れている。

実地検分を行う実行委のメンバー=26日午後、袋井市内(実行委提供)
実地検分を行う実行委のメンバー=26日午後、袋井市内(実行委提供)

 「(中止の)3年間は物足りなかった。この時を待ちわびていたので血が騒ぐね」。そう笑うのは初回から会場に足を運んでいるという市川二二生さん(75)=同市=。全国百以上の花火大会を見て歩くほどのファンだが、ふくろい遠州の花火は「日本でも指折り」と語る。市川さんのように再開を待ちわびていたファンは大勢いて、実行委によると、用意した3万枚の有料席は既に完売という。
 今大会、プログラムを大幅に見直した。コンクールを前面に押し出し、国内屈指の花火師が集結。実行委の担当者は「過去最高と言ってもいい顔触れ」と自信を見せる。広報にも積極的で、特に交流サイト(SNS)を活用。インフルエンサーの協力でPR動画を制作した。20万人以上が視聴し、一定以上の効果を上げたという。
 一方で安全対策も余念がない。実行委は26日、会場確認作業を行い、袋井商工会議所の役員や会員企業、指導機関が配置や動線を確めた。例年40万人以上が訪れるが、4年間のブランクで交通規制や雑踏対策などを担当するスタッフにも過去の花火大会の未経験者が多い。これまで以上のトラブルの発生を懸念し、警察との連携強化を図る。担当者は「みなさんに楽しんでもらい、無事に大会を終わらせる。二つを目標に一丸で最終準備を進める」と力を込める。
 (袋井支局・仲瀬駿介)

特設サイトでライブ配信
 ふくろい遠州の花火実行委員会は29日午後7時半ごろから、花火大会をニュースサイト「SBSNEWSDIG(ニュースディグ)」特設サイトでライブ配信する。視聴無料。
 国内有数の花火大会をより多くの人に見てもらおうと、初めて企画した。オープニングから最終演目までの90分間中継する。配信動画は後日の視聴も可能。
 花火の打ち上げ開始に先立ち、午後6時半ごろ中継を開始する。URLは<https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/570573>。

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