新商品開発へ“スクラム” 「イチゴ玉露」発信 農福連携も視野 ラグビー・ブルーレヴズと磐田の農家

 磐田市を拠点に活動するラグビーリーグワン1部の静岡ブルーレヴズが、市内の農家らと“スクラム”を組み、地元産の茶葉とイチゴを活用した新商品の開発に取り組んでいる。新たな特産品は12月に売り出し、ブルーレヴズはプロスポーツクラブの発信力を生かしてPRを担う。規格外イチゴを使うことでSDGs(持続可能な開発目標)に貢献するほか、障害者の就労支援にもつなげる。

茶葉がつぶれないように優しくトラックの荷台に積み込む静岡ブルーレヴズの選手ら=6月下旬、磐田市岩井
茶葉がつぶれないように優しくトラックの荷台に積み込む静岡ブルーレヴズの選手ら=6月下旬、磐田市岩井
地元産の茶葉とイチゴを活用した新商品「イチゴ玉露(仮称)」
地元産の茶葉とイチゴを活用した新商品「イチゴ玉露(仮称)」
茶葉がつぶれないように優しくトラックの荷台に積み込む静岡ブルーレヴズの選手ら=6月下旬、磐田市岩井
地元産の茶葉とイチゴを活用した新商品「イチゴ玉露(仮称)」


 新商品は、同市岩井の茶農家「お茶のかねまつ」の玉露と同市向笠のイチゴ農家「ICHIGOYA」の規格外イチゴを乾燥させて包んだティーバッグ「イチゴ玉露(仮称)」。お湯を注いで飲むと、適度な渋みと甘みがある玉露と、イチゴのさっぱりとした香りが楽しめる。
 かねまつの園主松下公彦さん(44)が農作業に携わる障害者の待遇改善を磐田商工会議所に相談したのがきっかけ。商議所が、障害者支援や地産地消に乗りだしていたブルーレヴズとの連携を提案し、就労継続支援B型事業所を運営する「福茶会」(同市西島)や利用者が働くICHIGOYAも加わってプロジェクトが始動した。松下さんは「お茶を作るのは得意だが宣伝は苦手。それぞれ得意な部分を生かしていく」とし、新たな農福連携の事例を目指している。
 6月下旬には、新商品への理解を深めようと、ブルーレヴズの矢富洋則、岡本慎太郎、高橋在人の3選手がかねまつの茶園を訪ね、お茶刈りを体験した。松下さんからアドバイスを受けながら、茶葉がつぶれないように優しくトラックの荷台に積み込む作業に汗を流した。茶葉約2500キロ分の製造工程を見学し、イチゴ玉露の試作品も味わった。矢富選手は「体験を通じて、収穫から加工までの工程やお茶の味の奥深さを知ることができた。撮影や宣伝をがんがんサポートしたい」と意気込んだ。
 イチゴ玉露はブルーレヴズの来季ホーム開幕戦で、ヤマハスタジアム内にブースを設けて販売する計画で準備を進めている。スタジアムで販売する際は、商品パッケージをクラブのオリジナルデザインにすることも検討しているという。
 (磐田支局・崎山美穂)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞