静岡人インタビュー「この人」 伊豆山温泉旅館組合の組合長を務める 山田洋一さん(千葉県)

 8軒の宿が加盟する組合のトップとして、土石流災害からの復興に向けて伊豆山の魅力の発信に力を入れる。ホテル水葉亭を運営する大江戸温泉物語運営本部第3運営部長。49歳。

山田洋一さん
山田洋一さん

 -伊豆山の魅力は。
 「海と山の絶景や走り湯をはじめとした温泉資源。さらに平安時代から続く歴史は、熱海市中心街とは違った魅力がある。狭いエリアではあるが、大手企業が運営する宿泊施設が多く、新たなホテルの建設も進んでいる。それぞれに個性があり、お客さまの選択肢は広いと思う」
 -地域の現状は。
 「土石流の発生から2年以上がたったが、まだまだ厳しい状況が続いている。ただ、9月1日に警戒区域が解除される予定になり、長いトンネルの先にようやく光が見えてきた。これまで、多くの人に支えられて苦境に向き合ってきた。その恩返しをしながら、一歩ずつ前に進んでいけたらと思っている」
 -組合としての取り組みは。
 「今まで地域の状況や被災者の心情を思うと、観光PRなどを行える状況ではなかった。ただ、観光の街として生き続けていくためにも伊豆山の観光協会、温泉組合、連合町内会などと連携して、少しずつ地域を活気づける活動をしていきたい。8月3日には花火大会を開催する。土石流の犠牲者28人を慰霊するとともに、地域の再生に向けて踏み出す一歩としたい」
 -今後の抱負を。
 「伊豆山の魅力を発信するために改めて足元を見つめ直すことが大切。加盟する宿泊施設はライバルでもあり、良き仲間でもある。共に支え合って、お客さまに選んでもらえる地域にしていきたい。地域の団体、住民とも協力し、さまざまな体験の価値を創造していきたい」
 (豊竹喬)

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