ヤマハ発 通期も最高益へ 原材料高 一服見込む

 ヤマハ発動機の日高祥博社長は8日、売上高、利益とも過去最高になった2023年6月中間連結決算を発表したオンラインの記者会見で、今後の事業環境について、原材料価格や物流費高騰の一服や、半導体不足の解消進展が追い風になるとの見通しを示した。円安傾向も続くとみて、23年12月期通期の連結業績予想を上方修正。当初は減益を見込んでいた純利益は、1800億円(期初予想比12・5%増)と過去最高益の予想に転じた。

 売上高は2兆5千億円(同2・0%増)、営業利益と経常利益はともに2500億円(同8・7%増)とした。為替の想定レートは米ドル=135円、ユーロ=145円と円安方向に見直した。
 日高社長は「先進国の景気後退が懸念され、コロナ禍で伸びたアウトドアレジャー需要も落ち着く」と業績予想にマイナス要素を織り込んでいるとした。それでも、原材料などコスト高の影響が緩和し、半導体の調達改善で利益率が高いプレミアムスクーターの増産も可能になる見通しを踏まえて、「(今回の修正は)保守的な予想。何が起きてもこの数字は達成できる」と自信を見せた。
 成長分野に位置付けるロボティクス事業は中国市場の低迷などで苦戦を予想したが、「ずっと厳しいと思っていない。生産増強と技術開発はどんどん進める」と強調した。
 (磐田支局・八木敬介)

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