「しゃぎり電車」30年ぶり運行 子どもら演奏力強く 伊豆箱根鉄道

 15日から始まる三嶋大祭りを盛り上げようと、伊豆箱根鉄道は12日、乗客が駅通過時に伝統のしゃぎりの演奏を楽しめる「しゃぎり電車」を同鉄道三島-修善寺駅間で運行した。約30年ぶりに実施され、三島市内6団体約120人の子どもたちが、主要駅のホームで力強い音色を響かせた。

ホームで力強いしゃぎりを響かせる子どもたち=伊豆箱根鉄道三島駅
ホームで力強いしゃぎりを響かせる子どもたち=伊豆箱根鉄道三島駅

 同日午前9時ごろ、ヘッドマークと窓を紙の花などで飾った3両の電車が三島駅に登場。ねじり鉢巻きに法被姿の児童らが、奉納囃子(ばやし)で最初に演奏する「昇殿(しょうでん)」やJポップの曲などを披露した。しの笛や摺り鉦(すりがね)、太鼓をにぎやかに鳴らした。
 一斉にしゃぎりをする競り合いでは、喧嘩囃子(けんかばやし)の「屋台」を約5分間演奏した。反対ホームの電車の乗客からも拍手や歓声が上がった。続いて伊豆長岡駅で演奏し、修善寺駅西口広場では参加児童全員で競り合いを披露した。午後にも伊豆長岡駅、三島田町駅でそれぞれ演奏した。
 三島駅で開かれた出発式で豊岡武士市長は「電車が通る4市町に、日ごろ練習したしゃぎりの素晴らしい音色を届けましょう」とあいさつした。子供しゃぎり運営委員会の石川正康会長(55)は「4月から練習に励んできた。三嶋大祭りのためにも成功させたかった」と話した。
 (大仁支局・小西龍也)

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