ニャンと井戸からネコの声…4時間半の救出劇 掛川・高天神城跡

 22日午前10時半ごろ、掛川市に「高天神城跡の井戸から猫の声がする」と観光客から連絡があった。市職員が井戸端からバケツをつるすなどして救出を試みたがうまくいかず、連絡から約4時間半後、駆け付けた南消防署の隊員が助け出した。

救出された猫と消防職員=掛川市上土方嶺向の高天神城跡
救出された猫と消防職員=掛川市上土方嶺向の高天神城跡

 猫が落ちたのは深さ約13メートルの「かな井戸」。猫が暴れて救出は難航したが、消防署員2人が慎重に井戸に入って確保した。途中、井戸の中にヘビがいることも分かり緊張が走ったが猫をケージに入れ、ロープで引き上げることに成功した。猫は雄で、目立ったけがはないとみられる。
 現場の消防署員や市職員は救出後の猫の元気な鳴き声を聞いて安堵(あんど)の表情を浮かべた。佐藤鐘之消防司令補は「元気な様子でなにより。ベストを尽くした」と話した。
 猫は動物病院で診察して健康状態を確認するという。市職員は「命に関わること。迅速に動いて無事に助けられて良かった」と胸をなで下ろした。
 高天神城は掛川市上土方嶺向にある山城。戦国期に武田氏と徳川氏が激しい争奪戦を繰り広げたことで知られている。
 (掛川支局・山本萌絵佳)

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