NEC子会社 掛川新工場公開 国内安定供給へ 生産体制を拡充 

 NECの子会社NECプラットフォームズ(本社・東京都)は29日、8月に本格稼働した掛川事業所の新工場(掛川市下俣)を報道陣に公開した。半導体不足への対応など経済安全保障の強化を主眼に、国内の生産体制の拡充を図った。ロボットを使った自動搬送システムなど先進技術を導入し、同事業所全体で生産効率30%向上を目指す。

公開された自律走行搬送ロボット=29日午後、掛川市下俣
公開された自律走行搬送ロボット=29日午後、掛川市下俣

 サイバーセキュリティーや事業継続を重視し、秘密情報をサプライチェーン(供給網)全体で保護するための生産方式を採用した。高いセキュリティーや安定通信などの特徴がある局地的な通信環境を工場内に構築し、自律走行搬送ロボット(AMR)を運行させて生産効率を高める。
 作業の進捗(しんちょく)を踏まえ、順番を常に再計算して作業者に最適な段取りを指示するシステムも取り入れた。安全管理に関しては、顔認証やカメラによるフロア全域の監視を導入し、不審者の侵入などに備える。
 新工場は鉄骨造り4階建ての延べ床面積約1万5600平方メートル。埜本康之執行役員常務は「デジタル化と自動化、セキュリティー面を強化して、市場への多様なニーズへの柔軟な対応を実現する」と話した。
 掛川事業所は同社の主要生産拠点。モバイルルーターなどのネットワーク機器や車載器を製造している。
 (掛川支局・山本萌絵佳)

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