清水港「河岸の市」改装 25年4月オープン いちば館建て替え

 年間80万人前後が訪れるJR清水駅東口の「清水魚市場 河岸の市」(静岡市清水区)が2025年4月にリニューアルオープンすることが4日までに関係者への取材で分かった。来春から新築工事や取り壊しを始め、東口のペデストリアンデッキ(歩行者用通路)と直結、大規模な立体駐車場も設ける。マグロの水揚げ日本一の清水港を象徴する観光施設のリニューアルにより、清水の観光振興に弾みがつきそうだ。
中部横断自動車道の開通もあり近年は年間約80万人が訪れている「清水魚市場 河岸の市」の「いちば館」=4日、静岡市清水区島崎町
 河岸の市は、隣接地で清水魚市場を開設する「清水魚」が運営。鮮魚や乾物などの21店舗が入る「いちば館」と、海鮮丼などの飲食店15店舗が入る「まぐろ館」から成る。今回のリニューアル工事では、いちば館を敷地内に新たに建設し、01年にオープンし老朽化した鉄骨平屋一部2階建ての現在の建物を取り壊す。歩行者用通路と直結し、駅利用者も取り込む。
清水魚市場河岸の市
 現在いちば館がある場所には250台が収容可能な立体駐車場を設ける。平置きの現在の駐車スペースは200台程度を止めることができるが、中部横断自動車道の開通により山梨・長野県方面の観光客も大幅に増えていることから、25%程度収容能力を増やす。円安と建設費の高騰が続いているため施設計画は一部流動的なものの、新しくできるいちば館内では食事もできるようにする。工事中も営業は継続する。
地元住民や観光客が多く訪れる「清水魚市場河岸の市」の「いちば館」に入居する魚店や乾物店=4日、静岡市清水区島崎町
 リニューアルオープンする25年春、近くの江尻港内の岩壁に駿河湾フェリーターミナルが移転する予定。独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)桜ケ丘病院も、東口に24年12月以降に新築移転する。ENEOS(エネオス)清水製油所跡地(清水油槽所内遊休地)では、サッカースタジアムの建設構想も進んでいて、東口は“再開発ラッシュ”の様相を呈す。
「清水魚市場河岸の市」の「いちば館」正面出入り口=4日、静岡市清水区島崎町
 清水魚市場 河岸の市
 清水魚市場河岸の市水揚げ日本一を誇る清水港のマグロをPRする、JR清水駅東口の代表的集客施設。新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の2019年は年間95万人以上が訪れた。20年は大型観光バスで訪れる客が減り、約76万8千人まで落ち込んだものの、22年は86万7千人余りまで回復した。今年の大型連休中や夏休みなどには山梨・長野県、関東方面のナンバーの車が並んだ。
(清水支局・坂本昌信)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞