浜松のドローン航路 新東名の自動運転 デジタル先行地域指定へ 経産省

 経済産業省は15日のデジタルライフライン全国総合整備実現会議で、デジタル技術の社会実装に向けた総合整備計画の中間案を示し、浜松市の天竜川水系をドローン航路の先行地域に、新東名高速道の駿河湾沼津―浜松両サービスエリア(SA)間を自動運転車用レーンの先行地域に、それぞれ盛り込んだ。地元自治体や管理者と連携し、全国のモデルとなる実装のあり方を探る。総合整備計画は本年度策定する。
 ドローン航路は埼玉県秩父エリアと合わせて2カ所の指定。浜松エリアは物流や災害救助などの課題を探る。人家がなく一定の広さがある河川域で飛行ルートを設定し、緊急着陸ポイントや気象測定機器などを整備して実証実験を重ねる。
 浜松市はこれまで、デジタル技術の官民連携組織がドローンを使った中山間地域での医薬品配送や災害時の状況確認といった実証実験を行い、成果を公表してきた。いずれも技術的には十分実現可能だが、実社会でサービスを展開するには操縦資格制度や許認可の問題、機器同士の衝突防止に誰が責任を負うのかという管制の問題などが浮上し、国のルールづくりの必要性を指摘していた。
 先行地域の指定に、市デジタル・スマートシティ推進課の瀧本陽一課長は「これまでの取り組みがさらに進み、社会実装が近づくと期待している。この地域が注目され、より多くの事業者に実証に参画してほしい」と話した。
 自動運転車用レーンは茨城県日立市と合わせての指定。特に高速道路での自動運転車の走行には、車両の位置特定精度の向上、落下物や故障車を検知して回避する技術の向上などが課題になっていて、テスト走行可能なレーンを設定することで運行環境整備のための実験を支援する。
 (浜松総局・宮坂武司)

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