掛川花鳥園 ポポと羽ばたいた20年 初代アイドルフクロウ “変身技”全国からファン

 掛川市南西郷の掛川花鳥園が20日、開園20年を迎える。2003年に開園し、全国から年間30万人以上が来園する人気テーマパークに成長した。その立役者となった1羽が、アフリカオオコノハズクの「ポポ」。草創期から人気を集め、園の知名度を全国区に押し上げた。19歳になった今は展示の場から退き、バックヤードから園の盛況ぶりを静かに見守る。

ポポとバディを組みイベントに参加してきた北條龍哉さん=9月上旬、掛川市南西郷の掛川花鳥園
ポポとバディを組みイベントに参加してきた北條龍哉さん=9月上旬、掛川市南西郷の掛川花鳥園
いつでも満開の花を楽しめるよう調整している「花温室」
いつでも満開の花を楽しめるよう調整している「花温室」
ポポとバディを組みイベントに参加してきた北條龍哉さん=9月上旬、掛川市南西郷の掛川花鳥園
いつでも満開の花を楽しめるよう調整している「花温室」

 ポポは03年に入園し、来場者の腕に乗るイベントに多く出演してきた。体を細くしたり羽を広げて大きくしたりして“変身”する姿がテレビ番組に取り上げられ一躍有名になった。ポポを見るために毎月、都内から通うファンもいたという。
 ポポとバディを組み、ふれあいイベントをしてきた同園バード統括の北條龍哉さんによると、ポポは人見知りをしない好奇心旺盛な性格。猛禽(もうきん)類に慣れない飼育スタッフは、まずポポに触れてフクロウの扱いを学んできたという。北條さんは「ポポがいなかったら今の花鳥園はない。長生きしてほしい」と感謝する。
 視力低下など老化の兆候が出始めたため、ポポは20年に現役を引退。園ではハシビロコウの「ふたば」やヘビクイワシの「キック」など、人気者の後輩も育った。坂田忠男園長は「ポポをはじめとして、花鳥園にアイドル的存在は不可欠。今後も発信力を高め、新しい園の姿を提示していきたい」と意欲を語った。
 (掛川支局・山本萌絵佳)

 <メモ>掛川花鳥園は花と鳥のふれあいを楽しめるテーマパークとして2003年に開園した。鳥はフクロウやインコ、ペリカンなど約100種類600羽、植物は約100品種1500鉢がそろう。
 園内では鳥が自由に飛び交い、参加型のショーも行う。天井からペチュニアやインパチェンスなど約800鉢の花をつるした「花温室」はどの季節に来ても満開になるよう温度調節などに気を配っている。
 園は20周年に合わせ、記念企画やペンギンプールのリニューアルを予定する。

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