名車の運転席をリビングに 日産「スカイライン」などの椅子再現 焼津の家具工房 国内外から注文相次ぐ

 焼津市相川の家具工房「木工のデン」が、日産自動車の名車の座席を再現したリビングチェアを製作し、自動車愛好家の間で注目を集めている。運転席の骨組みを木で作り、高級インテリアとして市販化した。日産公認商品として販売開始から5年を迎え、国内外から注文が相次ぐ人気シリーズとして定着している。
名車の座席を再現したリビングチェアを製作した神野克昭代表=焼津市相川の木工のデン
 木工のデンは2018年に「スカイライン2000GT」を皮切りに、「フェアレディZ」「スカイライン2000GT―R」の運転席をリビングチェアとして相次ぎ再現。椅子の骨組みを本来の鉄パイプではなく木で作り、車両用のレザーを施した。「2000GT」と「Z」は椅子の高さを普段の座り心地が良いように、実際の5分の4のサイズで仕上げた。
 同社は2006年に神野克昭代表が設立。メーカーの下請けとして家具を製作していたが、自分の思い描いていた仕事との違いにもどかしさを感じ、以前から構想していた「名車の運転席をモチーフにした椅子の製作」に着手した。
製作中の車の運転席を再現した椅子=焼津市相川の木工のデン
 試行錯誤の末に18年に完成した「スカイライン2000GT」のリビングチェアを日産に持ち込んだところ、同社公認で商品化が決まった。19年には「フェアレディZ」生誕50周年に合わせて、同車種のチェアを製作した。「スカイライン2000GT―R」は趣向を変えて、椅子の高さを実車と同じサイズにし、後部座席も再現した。
 神野代表によると、国内の自動車イベントに出品すると「家具職人が再現した名車の椅子」という取り合わせに興味を持つ愛好家が多いという。とりわけ「Z」は車種そのものの人気も相まってアメリカ人から引き合いが強い。神野代表は「Zの運転席を実物大で再現したロッキングチェアを作りたい」と次回作の構想を語った。
 (焼津支局・福田雄一)
 

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