エビ養殖 磐田に国内最大級施設 京大発企業とNTT、事業拡大の足がかりに

 京都大発スタートアップのリージョナルフィッシュとNTTの合弁会社「NTTグリーン&フード」(東京都、久住嘉和社長)は17日、磐田市南平松のスズキ子会社旧工場を活用し、来年7月に国内最大級のバナメイエビ(シロアシエビ)陸上養殖プラントを開設すると正式に発表した。同社初の自前プラントとして、陸上養殖の経験やノウハウを磐田で積み、事業拡大につなげる。スズキとの事業連携も検討する。

磐田市に開設される陸上養殖プラントのイメージ(NTTグリーン&フード提供)
磐田市に開設される陸上養殖プラントのイメージ(NTTグリーン&フード提供)
磐田市で生産される予定のバナメイエビ
磐田市で生産される予定のバナメイエビ
磐田市に開設される陸上養殖プラントのイメージ(NTTグリーン&フード提供)
磐田市で生産される予定のバナメイエビ

 ⇒エビの陸上養殖 磐田に開設 スズキ旧工場活用 京大発企業とNTT、来夏進出  
 スズキ部品製造の旧工場を賃借し、敷地面積約1万3千平方メートルで年間115トン以上の生産を目指す。今月中にプラント整備に着手し、来年7月の完成・操業開始を目指す。卵の状態から商品として出荷するまで「完全国産養殖」とすることでブランド化を図る。
 最新の情報通信技術(ICT)を駆使し、水温や水質、餌の量の管理などを遠隔で支援する。将来的には人工知能(AI)による自立制御も視野に入れる。リサイクル型で断熱性に優れた水槽を一部導入するなど環境に配慮した資材を使用する。磐田市と連携し、従業員を地元雇用する方針。
 販路としては、大手流通業への販売のほか、地元企業との連携した消費拡大を探る。スズキへのエビ提供も予定する。スズキは魚介類の養殖と水耕栽培を組み合わせた循環型農法の確立や、製造業で培った生産管理プロセスの養殖業への導入などを検討している。
 久住社長は、スズキとの仲介や立地費用の補助など市の積極的な誘致活動が進出の決め手になったとし、「最初の事業拠点となった磐田を足掛かりに、将来的には20拠点まで増やしたい」と意欲を示した。
 (磐田支局・八木敬介)

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