作業構台の耐荷重性向上 焼津・タイセン工業 全国から引き合い

 土木建築サービス業のタイセン工業(焼津市)は、のり面工事などに使用する作業構台の耐荷重性の改良に成功し、受注を伸ばしている。作業構台の構造を応用した斜路も開発し、土砂崩れ現場で応急仮設道路として活用できる。国の新技術情報提供システム(NETIS)に登録され、全国から引き合いが相次ぐ。

耐荷重性を改良し、全国ののり面工事などで採用されている作業構台
耐荷重性を改良し、全国ののり面工事などで採用されている作業構台
独自技術で開発された、大型車両が自走できる斜路
独自技術で開発された、大型車両が自走できる斜路
耐荷重性を改良し、全国ののり面工事などで採用されている作業構台
独自技術で開発された、大型車両が自走できる斜路


 作業構台は足場のような骨組み構造で、建設重機や大型車両を載せるため通常は補強材を用いて組み立てる。一般的な柱の間隔が180センチに対し60~150センチに対応し、構造体を強化。作業床の下に複数の特殊部材を設置することで荷重を分散させる造りにした。一連の部品開発で複数の特許を取得。高速道路の補修工事や地滑り対策などで採用実績を積んでいる。
 最大の特徴は独自技術を駆使して開発した斜路。従来、数トン級の重機は大型クレーンでつり上げていたが、重機が斜路を自走して構台に載ることができるようになった。斜路と構台の組み合わせはそれ自体が仮設道路になるため、災害時の早期復旧にも役立てられる。
 人力で簡単に組み立てられ、コストは従来より2、3割削減できる。2022年の売上高は開発初期の2016年比で270%に伸長した。
 太田良千裕社長(59)は「過去にない工法を提案し、難しい場所で行う工事の安心安全に貢献できる」と強調した。
 (経済部・河村英之)

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