転倒抑止技術 開発を加速 ヤマハ発 二輪車向け 早期市販化へ

 ヤマハ発動機の日高祥博社長は25日のジャパンモビリティショー報道公開で、二輪車の転倒を抑止する新システム「AMSAS(アムサス)」の市販モデルへの早期実装を目指す意向を示した。アムサスを搭載した電動スクーターやスポーツバイクのほか、技術の獲得につながった自律制御型の電動バイク実験機「モトロイド」の進化版を披露。「転ばないバイク」の実現に向け、技術開発を加速する姿勢を強調した。

モトロイド2と並ぶヤマハ発の日高祥博社長(左)とヤマハの中田卓也社長=25日午前、東京都の東京ビッグサイト
モトロイド2と並ぶヤマハ発の日高祥博社長(左)とヤマハの中田卓也社長=25日午前、東京都の東京ビッグサイト

 アムサスは、センサーで車体の傾きなどを検知し、自動で乗車姿勢を安定させるシステム。運転技量を要する超低速走行時でも転倒しにくくなる。アムサス搭載の電動スクーター「イーラブ」はコンセプト車ながら、市販モデルのようなシンプルなデザインで出展。スポーツバイク「YZF―R3 AMSAS」は市販車をベースにした。丸山平二取締役は「システムの小型化は市販レベルに進んだ。あとはどれだけコストを抑えられるか」と説明した。
 「モトロイド2」は独自のバランス制御機能に加え、乗り手の手ぶりに反応して自律的に動く画像認識AI(人工知能)の技術を高めた。ダンスと連動したパフォーマンスを披露し、日高社長は「人とマシンの関係を超えた存在という概念にまた一歩近づいた」とアピールした。
 (磐田支局・八木敬介)

 「二つのヤマハ」連携強調 販路開拓に期待
 25日のジャパンモビリティショー報道公開で、ヤマハの中田卓也社長がヤマハ発動機の記者向け説明会で日高祥博社長と共演し、「二つのヤマハ」の連携をアピールした。
 ヤマハは今回、ヤマハ発ブースの出展に協力し、音響演出などを担った。サプライズで登壇した中田社長は「人が心豊かに生きていくためには、音楽も楽しい移動も必需品」と語った。
 説明会後、日高社長は「モビリティを中心にいろんな業界と一緒に未来を切り開いていくとの(出展)コンセプトで、真っ先に思い浮かんだのがヤマハだった」と述べた。中田社長は「ヤマハにとってこれから伸びる新興国(市場)に、ヤマハ発ははるか先に入っている」とし、販路開拓などでの連携も期待した。

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