貯水槽“直結方式”を開発 カナサシテクノサービス 地中埋設、安全性高く水供給 「地域防災に貢献」

 耐震性貯水槽製造販売のカナサシテクノサービス(静岡市清水区)は、水道管から受水槽を介さずマンションや病院に直結方式で飲料水を供給できる構造の貯水槽を開発した。耐圧性、耐震性を兼ね備えた製品を地中に敷設することで災害時に損壊するリスクを低減した。断水時に安全な飲み水を確保できるなどの利点がある。

開発された「直結方式」の貯水槽(右)(左は従来方式)
開発された「直結方式」の貯水槽(右)(左は従来方式)


 耐圧性能に関する国の基準をクリアし、日本水道協会から初の認証を受けた。従来の受水槽より循環性にも優れ、水質を維持する。武田孝之社長は「静岡発の製品として全国の地域防災に貢献できる」と胸を張った。今後販売を開始し、既に引き合いがあるとした。
 同社によると、地上に設置した受水槽を経由してマンションなどに水を送る現在の方式は、水が受水槽内に長時間滞留することがあり、法定点検や清掃が不可欠。東日本大震災では受水槽自体が被害を受け、断水時に給水できない事例があった。
 これら課題の解決に向け開発した新製品が「飲料貯水給水管」。地中に埋設し、水が空気に触れない造りのため、安全性の高い水を供給可能。非常用応急給水槽の製造ノウハウを生かし、耐震性も確保した。
 容量は10トン。災害時に千人が3日間しのげるという。価格は1500万円(税別)。
 (経済部・河村英之)

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