静岡県内上場企業 9月中間決算 製造業、円安受け好決算 内需型、原価高騰で回復遅れ

 静岡県内に本社や主要拠点を置く上場企業の2023年9月中間決算が14日、出そろった。静岡新聞社の集計では、売上高合計は前年同期比13・5%増、純利益合計は35・1%増と大幅に伸長した。半導体不足の緩和で増産に転じた自動車関連が円安の進行も追い風に軒並み業績を伸ばし、全体を押し上げた。内需型企業は新型コロナウイルスの5類移行で需要が戻りつつあるが、長引く原材料・エネルギー高の打撃を受けて回復に遅れが目立った。
 決算を発表した東証上場企業のうち、金融機関と国際会計基準(IFRS)採用企業、前年同期の決算発表が12月だったTOKAIホールディングスを除く31社を集計、比較した。
 増収増益の企業は、インドや日本国内での販売が好調で売上高と営業、経常の各利益で過去最高だったスズキなど13社と4割超となった。最終減益は9社、最終赤字は5社。
 業種別は製造業(22社)が売上高14・4%増、純利益37・6%増。自動車用ランプの小糸製作所、バックミラーの村上開明堂、内装皮革の共和レザーがいずれも過去最高の売上高を計上した。このほかの自動車関連企業や工作機械も利益を伸ばした。原価高騰分を価格転嫁できなかった食品加工は収益が下振れした。楽器や一部の電子部品も苦戦した。
 非製造業(9社)は売上高合計が1・4%増、純利益合計が4・7%減。価格転嫁や消費者の行動変化に対応遅れが生じた企業で苦戦ぶりが見られた。
 (経済部・河村英之)

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