原付2種市場に攻勢 スポーツ系3機種投入 ヤマハ発動機、若者へ訴求

 ヤマハ発動機が、近年伸長している二輪車の原付2種(排気量51~125cc)市場に攻勢をかけている。従前のラインアップはスクーターだけだったが、10月から趣味性の高い変速ギア付きスポーツタイプの125ccモデル3機種を相次いで投入した。扱いやすく、比較的手頃な価格で購入できる入門モデルとして若い世代の取り込みを狙う。

人気の「ネオレトロ」スタイルの原付二種モデル「XSR125」=9日、都内
人気の「ネオレトロ」スタイルの原付二種モデル「XSR125」=9日、都内
YZF―R125
YZF―R125
MT―125
MT―125
人気の「ネオレトロ」スタイルの原付二種モデル「XSR125」=9日、都内
YZF―R125
MT―125

 「ユーザーの裾野を広げたい」。9日、都内で開いた新型バイク「XSR125」(12月8日発売、希望小売価格50万6千円)の発表会。ヤマハ発は、1970~80年代風のレトロな外観と最新の性能を備え、人気が高い「ネオレトロ」スタイルのシリーズに原付2種モデルを追加して、デザインを重視し、走る楽しみも追求する若者に訴求する姿勢を強調した。販売目標は年間3千台と主力モデル級の強気の設定だ。
 原付2種の市場規模は2022年に10万2千台と17年から14・5%増。23年は10月末現在で既に12万3千台を超えた。従来の入門モデルの主流、軽二輪(126~250cc)が高性能化に伴って価格帯が上がり、初心者の需要が原付2種に移っているとみられる。
 ただ、ヤマハ発のシェアは22年、約17%にとどまった。コロナ禍に伴うアウトドアレジャー需要の高まりなどで二輪免許取得者数が伸びている中、若い顧客開拓に向けてラインアップ拡充に踏み出した。10月に「YZF―R125」、11月には「MT―125」と、立て続けにスポーツ系2モデルを市場投入。XSR125も加えて巻き返しを図る。
 若者をターゲットにした販売促進戦略にも力を入れる。XSR125は、若い世代に人気のアパレルブランド「フリークスストア」とのコラボグッズ限定販売や同ブランド施設での車両展示などを予定する。MT―125は、プロeスポーツチームと協業したキャンペーンを展開している。
 担当者は「コロナ特需に一服感が出ている。この流れを途切れさせないよう、原付2種のラインアップ拡充で二輪市場に刺激を与えたい」と意欲を示した。
 (磐田支局・八木敬介)

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