電動バイクで年間3位 全日本トライアル ヤマハ発「来年は王者を」

 今年の全日本トライアル選手権シリーズがこのほど閉幕し、出場チームで唯一の電動バイクで参戦したヤマハ発動機の「ヤマハファクトリーレーシングチーム」が年間3位に入った。当初の目標だった10位を大きく上回る好成績。関係者は電動化技術を磨き上げながらの結果に手応えをつかみ、「来年は年間チャンピオンを取りに行く」とさらなる意欲をみなぎらせている。

(提供写真)電動トライアルバイクで年間3位に入ったヤマハ発動機チームの黒川健一選手=12日、大阪市(同社提供)
(提供写真)電動トライアルバイクで年間3位に入ったヤマハ発動機チームの黒川健一選手=12日、大阪市(同社提供)

 トライアルは岩や丸太などの障害物をバイクで乗り越えるモータースポーツ。国内最高峰の全日本選手権にはトップライダーが集う。同チームは、チャンピオンを11回経験した黒山健一選手(45)が電動トライアルバイク「TY―E」で参戦した。
 全8戦でいずれも2~5位と安定して上位に入った。特に新型機を投入した後半戦は2、3位が続き、シリーズ上位10人が出場できる最終戦こそ雨天が影響して5位となったが、年間での表彰台入りに成功した。佐藤美之監督(60)は「今年は結果よりもマシンの進化につなげるのが大きな目標だったが、予想以上の結果に満足している」とシリーズを振り返る。
 最高回転に達する早さなど電動モーターならではの特性を生かした戦いを見いだすとともに、ギアがない分、雨天時にタイヤが滑りやすいなどの課題も見えた。佐藤監督は「さらにマシンを作り込んでいく」とし、2025年に王者を狙う当初の目標を1年前倒しする考えを示した。
 (磐田支局・八木敬介)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞