ヤマハ発 創薬分野の取引拡大へ オランダ企業と協力契約 

 ヤマハ発動機は29日、オランダのバイオテクノロジー企業MIMETAS(ミメタス)とマーケティング協力契約を締結したと発表した。同社は、医薬品の安全性評価や効能確認で使用されるヒト疾患状態模倣システム(MPS)市場で世界的に高いシェアを持つ。ヤマハ発は連携や共同研究を、医薬品開発分野での取引拡大や技術開発につなげる。

ミメタスのヒト疾患状態模倣システム(ヤマハ発動機提供)
ミメタスのヒト疾患状態模倣システム(ヤマハ発動機提供)

 MPSは、プレート上で人体の環境を疑似的に再現し、医薬品の安全性や生体内での動き、効果を調べる試験で利用される。動物実験の代替となり、希少疾病の有効な治療法・治療薬の開発につながるとされることから、世界的な市場拡大が見込まれるという。
 ヤマハ発は、医薬品開発などで細胞培養工程を効率化する細胞ピッキング・イメージング装置「セルハンドラー」を製造・販売している。この技術がMPS開発・製造にも貢献できることから契約が実現した。
 契約に基づき、ミメタス本社にセルハンドラーを設置し、顧客らが両社製品を体験できるデモサイトとして、顧客獲得や市場情報入手の拠点とする。さらに、共同研究にも取り組んで得た技術・知見を、両社製品の活用事例や創薬研究の試験法の確立などに生かす。
 (磐田支局・八木敬介)

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