タンザニアで「宅配」 ヤマハ発子会社が参入 EC拡大捉える

 ヤマハ発動機は12日、東アフリカで二輪車を使ったラストマイル配送事業を手がける子会社クーリメイトがタンザニアに新会社を設立し、同国での事業に本格参入したと発表した。現地の電子商取引(EC)ビジネス拡大を捉え、宅配需要の取り込みを図るとともに、物流の効率化や雇用創出につなげ、社会課題解決や経済成長に貢献する。

タンザニアでラストマイル配送を担うドライバー
タンザニアでラストマイル配送を担うドライバー

 同国ではECビジネスの普及が加速する一方で、都市部の交通渋滞が激しく、住所システムも未整備で代引き決済が主流と、物流面での課題が多い。新会社クーリメイトタンザニアは、自社の拠点などに集まった荷物を、二輪車で渋滞を回避しながら届け先まで運ぶ。専用のITシステムを活用し、荷物や代金を追跡したり、宅配履歴を蓄積して配送を効率化したりする。外部パートナーとも連携し、地方を含めた国土全域への配送ネットワーク構築を目指す。
 クーリメイトは2017年からウガンダで同様の事業を展開している。人口規模など市場潜在力がより大きいタンザニアでも、実証実験で事業モデルが機能すると確認し、十分な宅配需要が見込めたことから本格参入を決めた。
 ドライバーに車両を貸し出し、収入から利用料を支払ってもらう仕組みで、二輪車の自己所有が難しい層の生活水準向上にもつなげる。
 (磐田支局・八木敬介)

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