清水町が訪日客誘致を加速 脱「伊豆半島への通過点」目指す 名所の看板や聖地PRに工夫

 清水町がインバウンド(訪日客)の誘致を加速させている。同町の一般社団法人「ゆうすい未来機構」が観光庁の事業に採択されたことを受け、本年度一般会計補正予算に、地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツの造成支援として補助金600万円を追加。伊豆半島への通過点で来訪者の滞在時間が短いといった観光課題に対し、同法人などと連携し活性化を図る。

柿田川公園に設置された英字付きの看板。誘客を加速させる=清水町
柿田川公園に設置された英字付きの看板。誘客を加速させる=清水町


 町内の観光名所「柿田川公園」には2019年度に約45万人が来場していた。しかし、コロナ禍の21年度は約5万人に激減。昨年度は約20万人にまで回復したが、団体の来園者が戻らないという。立ち寄る人が町内に1時間程度しか滞在しないことや、町の認知度の低さが課題となっている。
 町はこれまで、観光客や外国人住民を念頭に英字付きの看板を同公園に設置。地元の沼津商高や事業者と連携して新たな名物となる料理の開発に取り組んでいるほか、同校生徒のガイド育成も進めている。
 来年1月中旬には、台湾の旅行会社約10社を迎えた視察(ファムトリップ)を予定している。柿田川公園や町内商業施設、隣の沼津市を舞台にした人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」関連の“聖地”を案内。町の観光事業も紹介し、ツアーの商品化やPRを目指す。今後、同アニメの町限定書き下ろしイラストも用意するという。
 一大観光地の伊豆や熱海、伊東、沼津、三島など周辺市町と比べて清水町はいまひとつ存在感を示していない。町産業観光課の担当者は「町を散策してもらう仕掛けをつくり、良さを知ってもらいたい。今後、多言語による対応を意識していく」と話した。
 (東部総局・日比野都麦)

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