忘年会トレンドは短時間・1次会? 静岡県内2軒目側は複雑

 トレンドは“短時間一本勝負”?- 宴会や飲食業に関する各種調査から、今年の会社の忘年会需要は新型コロナウイルス禍前の水準に戻りつつある一方、1次会の時間帯で終了したい意向が浮かんだ。運転手の減少でタクシー不足が著しい中、電車やバスがあるうちに帰宅したい心理も一因のよう。シーズンもピークを迎え、主に2軒目以降に利用されるバーなどから「コロナ後初の年末のにぎわいを期待したが」「新年会も同じ傾向だろうか」ともどかしさが聞かれる。

「20~21時に帰りたい」4割  日本フードサービス協会の10月の外食産業市場動向調査によると、パブ・居酒屋業態の売り上げは2019年比71・4%だった。同業態の店舗数は同年比で3割減ったとされ、現存店舗の売り上げはコロナ前水準に回復したとみられる。
 静岡市葵区の繁華街にある居酒屋は金、土曜だった今月15、16の両日、予約で早々と満席になった。最終的に予約や入店を断った人数は両日で計200人を超えた。店主の斎藤祐史さんは「宴会が週末に集中しているとはいえ、驚いた」と話す。
 一方、シチズン時計が行った意識調査で「会社の飲み会で帰りたくなる時間」を「21時」「20時」とした回答は合わせて4割に上り、早めに切り上げたい傾向が鮮明に。
 斎藤さんの店舗にほど近い場所でバーを経営する男性は、若者に比べてサラリーマンの帰りが早いと感じるという。「数の減ったタクシーをあてにせず、確実に帰れる公共交通機関で帰宅しているのでは」と推察。同じエリアにあるスナックの女性店主は男性に同調した上で「店内が混みすぎても困るけれど、やっぱりにぎやかな方がうれしい」と今後の客入りに期待した。
 (経済部・河村英之)

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