磐田のNNP電子、電子回路生産増強 ハイテク化進展、需要獲得へ 新工場24年夏稼働

 輸送機器、産業用機械、住宅設備用電子制御ユニット製造のNNP電子(磐田市、渡辺侑社長)は、本社隣接地で新工場の建設を進めている。2024年8月に予定する稼働後も段階的に設備や人員を増やし、10年以内に生産能力を現状の1・5倍以上に増強する計画。輸送機器や産業用機械などのハイテク化に伴って拡大している電子回路需要の取り込みを狙う。

NNP電子が建設を進めている新工場=磐田市内
NNP電子が建設を進めている新工場=磐田市内
NNP電子が手がける電子回路=磐田市の本社
NNP電子が手がける電子回路=磐田市の本社
NNP電子が建設を進めている新工場=磐田市内
NNP電子が手がける電子回路=磐田市の本社


 同社は本社近くの工場で、二輪車や農機・建機、産業用機械、住設用など操作系の電子回路を生産している。回路表面を樹脂で覆う加工技術「樹脂モールド」を活用し、悪環境にも対応できる防じん・防水性の高さなどで競合他社との差別化を図る。小ロットで多品種に対応できる点も強みで、近年は需要拡大に伴って取引が増加。売上高は2013年度から10年間で2倍以上に伸びた。
 人員を増やして増産を図っているが、生産が追いつかず、引き合いがあっても取引を断ることもあったという。こうした需要を取り込むには現工場では手狭なため、新工場の建設に踏み切った。
 用地取得なども含め総額12億円をかけて整備する新工場は、鉄骨3階建てで延べ面積約4500平方メートル。工場従業員の約7割を占める女性に配慮し、3階には木材の雰囲気を生かした食堂も設けるなど、働きやすい環境づくりにも気を配る。地域住民らの工場見学も積極的に受け入れていく方針。
 渡辺社長は「新工場開設で増産体制を整え、従来の取引先だけでなく、産業用ロボットなど新しい顧客開拓につなげたい」と意欲を示した。
 (磐田支局・八木敬介)

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