石田さん(御殿場)建築大工 技能五輪全国大会で銅賞 静岡県内で23年ぶり快挙

 愛知県などで11月に開かれた第61回技能五輪全国大会で、建築大工部門に出場した御殿場市印野の建具職人石田夏麻さん(21)が銅賞に輝いた。同部門での銅賞以上獲得は、県内で23年ぶりの快挙という。「結果が出てうれしい。磨いた技術を建具職人の仕事にも生かしていきたい」と話す。

技能五輪全国大会で銅賞に輝いた石田さん=御殿場市役所
技能五輪全国大会で銅賞に輝いた石田さん=御殿場市役所

 石田さんは駿東地域職業能力開発学院に在学中の2022年度に技能五輪県大会で最優秀賞を獲得。23年3月に学院を卒業後、同学院の講師陣や入社した長田木工所(同市)の支援を受けて練習に励んできた。
 同部門は難易度が高く、参加人数も多いため受賞が難しいとされる。今回は全国から58人が出場。屋根の構造を模した木製構造物を製作する課題で、12時間の制限の中で平面図や原寸図を描き、材料を加工して組み上げた。8月に設計図は発表されたが、大会当日に一部が変更されるルール。「変更箇所を事前予測し、本番は想定していたパターンの一つだったため、冷静に対処することができた」と好成績の要因を語った。
 このほど市役所に勝又正美市長を訪ね、好成績を報告した。「多くのサポートがあったからこその受賞」と周囲の支えや環境への感謝を口にした。勝又正美市長は「匠(たくみ)の技術とされる建築大工の部門に挑戦した姿勢がすばらしい。大工や建具職人を目指す若者の希望になる」とたたえた。
 (御殿場支局・塩谷将広)

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