静岡人インタビュー「この人」 障害者の就労支援に向けた新商品開発プロジェクトの発起人 松下公彦さん(磐田市)

 磐田市岩井でいわた茶を生産する茶農家「お茶のかねまつ」の園主で、障害者の就労支援に向けた新商品開発プロジェクトの発起人。市内の農家や障害者就労支援事業所、ラグビーリーグワン1部・静岡ブルーレヴズなどとスクラムを組み、地元産茶葉とイチゴを使ったティーバッグ「いちご玉露」を開発。昨年12月にヤマハスタジアムで行われたブルーレヴズのホーム開幕戦でお披露目販売した。44歳。

松下公彦さん
松下公彦さん

 ―プロジェクトの趣旨は。
 「茶畑の管理を手伝う障害者への賃金向上が目的。オリジナル商品を開発・販売し、売り上げの一部を給与に還元することで、待遇改善につながると考えた。私たち農家は良い商品を作ることはできても、営業や販売は苦手。各団体それぞれの得意分野を生かし、いちご玉露を完成させた」
 ―販売した感想は。
 「レヴズファンをはじめとする地元の皆さんや、対戦相手・コベルコ神戸スティーラーズのファンの方にも購入していただいた。静岡県はお茶のイメージがあるようで、いちご玉露はお土産としての側面もあると感じた」
 ―参加者の声は。
 「商品を入れる箱を組み立てたり、シールを貼ったりする包装作業は、障害者就労支援事業所の利用者が手がけた。販売も行った利用者からは『ネット販売はできないか。自分にできることはなんだろう』と相談された。茶畑の作業が中心だった利用者さんは、新たな興味を持つきっかけにもなったようだ」
 ―目標は。
 「今後も同じ思いを持つ人を集めて新商品の開発に挑戦し、障害者の賃金アップはもちろん、地域産業を盛り上げていきたい」
 (磐田支局・崎山美穂)

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