屋外自動搬送“標準”に イヴ・オートノミー(袋井市)/星野亮介CEO【キーパーソン・最前線】

 ヤマハ発動機と自動運転システム開発のティアフォーの合弁会社で、工場や倉庫向けに自動運転EVによる無人搬送サービスを展開している。屋外にも対応した新機軸のサービスをどう浸透させていくのか。課題や展望を聞いた。

星野亮介CEO
星野亮介CEO

 ―強みは。
 「建屋間も含めた自動搬送という全く新しい価値を提案している。導入前に手動で走行して3次元の地図データを作り、走行指示マップを重ねることで、車両の誘導線も不要。お客さまに導入準備などの手間をかけさせない。人手不足が深刻化する中、二酸化炭素(CO2)排出を抑えつつ、域内で最適化した物流をつくりだせる」
 ―販売面での課題は。
 「サービスとして良い評価を得ていて、倉庫業など物流系では順調に取引が増えている。一方、市場として大きい製造業は工場の投資計画が数年先まで決まっているため、導入までに時間がかかってしまう。それでも、1台は試しに使ってくれるので、数年先を見越し、複数導入につながるよう機能や安全性を進化させたい」
 ―今後の目標は。
 「フォークリフトやトラックと機能を分担するなど貴重な資源を最適利用する提案として、特定の技能を持たない人でも物流を担えるようにする価値を提供する。2030年までに売り上げ100億円の目標を達成するため、北米、欧州市場にも数年以内に本格参入する方針。屋外自動搬送の先駆けとして、培った技術やノウハウを生かし、物流の課題を解決するスタンダードにしていきたい」
 (磐田支局・八木敬介)

 ほしの・りょうすけ 自動車メーカーや米証券会社を経て、2017年にヤマハ発動機入社。新事業開発に携わり、23年3月から現職。横浜市出身。46歳。

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