24年度の静岡県産業成長戦略 企業集積や人材確保推進 選ばれる地域へ好循環創出

 静岡県は16日、県産業成長戦略会議を県庁で開き、2024年度の産業成長戦略を取りまとめた。活力ある企業の集積やデジタル技術を積極活用した産業人材の確保、競争力の高い事業の育成などを推進し、成長への好循環創出を目指す。

静岡県産業成長戦略を取りまとめた会議=16日午前、県庁
静岡県産業成長戦略を取りまとめた会議=16日午前、県庁

 県が重点施策に位置づけるスタートアップ(新興企業)関連は28年度までに資金調達総額を累計260億円以上などとする目標達成に向け、創業前から産業化まで切れ目のない支援を提供する。産業人材確保は小学校から大学・専門学校まで一貫的、体系的なサポート体制を構築する。
 企業誘致は若者に人気のあるICT・サービス関連について首都圏中心の約6万社に調査を実施し、本県に進出意欲のある企業をリスト化する。
 中小企業の競争力向上は地域経済の持続的な成長に欠かせないことから、企業規模やニーズに応じた補助制度を体系化し、“稼ぐ力”の強化を図る。本県の豊富な地域資源を生かし、観光・医療を融合させた「スポーツの総合産業化」も盛り込んだ。
 協議では新興企業の呼び込みや深刻化する人手不足を踏まえ“選ばれる地域づくり”を念頭にした意見が相次ぎ、「高齢者、女性、若者、外国人が安心して働ける環境づくりが不可欠」「人材や資金集めには『共感』がキーワードになる」などの指摘が上がった。
 (経済部・河村英之)

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