ヤマハ発が賃上げ1万7400円の満額回答 第1回団体交渉で

 ヤマハ発動機は21日、労働組合と2024年春闘の第1回団体交渉を行い、賃上げと年間一時金の要求に満額回答した。ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分が月額1万1千円、定期昇給分を含めた総額は1万7400円と前年回答をそれぞれ2千円上回り、過去最高の賃上げになる。県内で大手が早期回答で積極的な姿勢を示したことで、中小企業などへの賃上げ機運の波及が期待される。
 ヤマハ発が1回目の団体交渉で満額回答するのは初めて。物価高への対応や中小企業への賃上げの波及など、労使双方の課題認識が一致しているとして、回答の前倒しに踏み切った。
 ヤマハ発によると、賃上げ率は約5・1%で、物価上昇率を上回る水準になるという。年間一時金の回答は6・5カ月と過去最高だった前年と同じ。同社は「組合員の頑張りや期待感に応えるとともに、昨今の物価上昇や経済の好循環に貢献するという社会的要請を踏まえた」とコメントした。
 ヤマハ発労働組合の斎藤裕光書記長は「物価上昇が続く中、組合員の生活への不安解消や中小への賃上げの波及など、労使が同じベクトルを向いていると確認できた」と評価した。3月13日の妥結を目指す。残る3回の団体交渉では、職場や働き方の課題解決など、社員の労働意欲向上につながる環境改善を議論するという。
 (磐田支局・八木敬介)

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