静岡県内上場企業、製造業売上高5兆円超 23年4~12月期 自動車関連が好調持続

 静岡県内に本社や主要拠点を置く上場企業の2023年4~12月期決算が21日までにおおむね出そろった。静岡新聞社の集計では、金融機関と国際会計基準採用企業、決算発表を延期した電業社機械製作所を除く31社の売上高合計は約5兆7451億円。製造業は自動車関連が円安を追い風に堅調で、売上高が5兆円を超えた。減収となった企業は中国、東南アジアの景気回復遅れや巣ごもり需要の反動などが影響した。

県内上場企業の23年3~12月期決算
県内上場企業の23年3~12月期決算


 増収は製造業21社のうち15社、非製造業10社のうち5社。製造業はスズキ、共和レザー、小糸製作所が過去最高を更新し、村上開明堂も前期から大幅に販売を伸ばすなど自動車関連の好調ぶりが際立った。非製造業はハマキョウレックス、TOKAIホールディングス、遠州トラックの売上高が過去最高となった。
 純損益の合計は約2832億円だった。製造業は15社が増益または黒字化。はごろもフーズは価格転嫁で原料・包装資材高の影響を吸収し、前年同期の赤字から黒字へ転換した。減益は5社で、河合楽器製作所は景気低迷が続く中国での販売減少が響いた。2社は最終赤字となった。
 非製造業では4社が最終減益、1社が最終赤字に。新型コロナウイルス禍特需の揺り戻しが生じ、小売や通販が苦戦した。
 24年春闘は多くの企業の労働組合が物価高騰などを理由に賃上げを要求している。各社は業績が改善傾向にある一方、原材料高や中国経済などの下振れリスクがくすぶる中、どう対応するか注目される。
 (経済部・河村英之)

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