発泡スチロール模型人気 鋳物の型作り転用、エンタメ系も 木村鋳造所(清水町)

 木村鋳造所(清水町)が鋳物づくりの型に使う発泡スチロールで、さまざまな模型を受注生産している。品質が高く、大型製品でも短期間で製作できることが需要を生み、本業で縁のなかったエンターテインメント業界などからも注文が相次いでいる。

話題づくりで作った人形。発泡スチロールの模型の注文が相次いでいる=伊豆の国市の木村鋳造所伊豆製作所
話題づくりで作った人形。発泡スチロールの模型の注文が相次いでいる=伊豆の国市の木村鋳造所伊豆製作所


 同社は液体状の金属を型に流し込んで固める手法で、自動車用プレス金型や工作機械のフレーム製造を主力としている。型は一般的な木ではなく、製作期間が短く設計の自由度が高い発泡スチロールで、これを商品化した。
 型作りと同じく、3Dデータに基づき機械を使って発泡スチロールを加工し、組み立てる。大きさや形は問わず、寸法はミリ単位で設定可能。音楽コンサートの舞台や高級ブランド店のオブジェ、大阪万博会場内の建物の装飾、公園のベンチなどを作った。
 短期間による製作を可能としているのは、約50台の加工機械で、横30メートル、高さ6~7メートルの製品を2週間で仕上げたことも。コンサートの舞台装飾は直前に決まることが多く、関係者から「最後の頼みの綱」と言われている。売上高の6~7割はエンタメ関係。
 仕入れ先の発泡スチロールメーカーの相談から事業化に至った。製品自体が表舞台で使われるため、同社伊豆製作所所長の壷内渉執行役員(52)は「従業員のやりがいにつながる」と話す。軽トラックに搭載するコンテナを共同開発するなどオリジナル製品の製造も手がける。
 (東部総局・矢嶋宏行)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞