「あわしまマリンパーク」7月再開へ 前経営者から体制刷新 今村新社長が会見

 2月に閉館した沼津市の離島・淡島にある水族館「あわしまマリンパーク」運営会社の新社長に就任した放送作家今村クニト氏(54)が26日、市内で記者会見を開き、早ければ7月に再オープンする意向を明らかにした。同館のオーナー会社が保有する全株式を取得したことも公表。施設の所有権や負債に関する問題解決を急ぎ、有志による支援団体を新設して営業再開にこぎ着ける考えを示した。

記者会見に臨んだ(右から)伊藤裕館長、今村クニト新社長=26日午後、沼津市内
記者会見に臨んだ(右から)伊藤裕館長、今村クニト新社長=26日午後、沼津市内

 今村氏側によると、同館のオーナー会社だった「オーロラ」側が保有していた全株式は、関係会社を通じて今村氏に譲渡する契約を今月12日に締結。オーロラの竹原虎太郎氏が運営会社「淡島マリンパーク」の代表取締役を辞任し、今村氏が代表取締役に就任した。今村氏側は「前経営者とは一切関係ない新体制になった」と強調。5月中旬に臨時株主総会を開き、正式決定する。
 同館は「AWH(旧淡島ホテル)」の破産管財人との間で同館の施設所有権を巡り訴訟となり、2億円以上の債務を抱えていた。今村氏側は「破産管財人側とは和解に向け協議中。全ての債務を引き受け、誠実に対応していく」と述べた。
 今村氏は兵庫県出身で、以前はお笑いコンビ「ピーピングトム」として活動。メディア関係者から資金援助を受け、再開に向けた実行委「あわしまマリンエイド」設立を検討している。今村氏は「地元の方々と連携し、問題を早期解決して水族館を『普通』の状態に戻したい」と強調した。
 伊藤裕館長は「動物は閉園時から変わらず元気。2、3日前にはアザラシも生まれた。できる限り早く再開したい」と熱望した。
「問題解決を最優先」  今村クニト新社長の主な一問一答は次の通り。
 ―水族館経営に乗り出した理由は。
 「(あわしまマリンパークが重要な舞台の)アニメ『ラブライブ!サンシャイ!!』のファンで、以前から通っていた。閉館を知って居てもたってもいられず、企画書を持ち込んだ」
―前オーナー会社が今春実施したクラウドファンディングの資金の行方は。
 「資金は3、4月の水族館運営に使われていたと認識している。発送時期が不明確だった返礼品は5月中に対応し、水族館の現状を伝える内覧会も計画する」
 ―再建に向けた計画は。
 「今は個人で動いているが、新会社をつくるためにメディア関係者を含めた『あわしまマリンエイド』実行委を5月中に設立したい。問題解決を最優先して普通の状態に戻した後、水族館を愛する人に喜んでもらえる企画をつくりたい」

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