GW初日で行楽地にぎわい 静岡県内にも人の波 コロナ明け実感、節約志向の観光客も

ゴールデンウィークがはじまり、旅行客でにぎわう静岡空港の出発ロビー=27日午後、牧之原市(写真部・堀池和朗) ゴールデンウイーク(GW)が始まった27日、静岡県内は雨や曇りの空模様となったが、行楽地や交通機関は県内外からの家族連れなどでにぎわいを見せた。新型コロナウイルスの5類移行からほぼ1年がたち、新幹線や飛行機の利用状況は復調を示すものの、初日はGWの日並びや天候の影響もあってか出足がいまひとつの施設も。記録的な円安や物価高を踏まえて節約志向の観光客も目立ち、旅行先選びも分散化している。
多くの人が行き交う沼津港周辺。駐車場には首都圏や中京圏ナンバーの車両が並んだ=27日午後、沼津市 沼津市の沼津港は昼前後を中心に混雑し、飲食店や物販店が並ぶ通りは人の流れが絶えなかった。駐車場には首都圏や中京圏ナンバーの車両が並んだ。名古屋市から訪れた公務員梶原英彦さん(50)は「昨年は人混みを避けていたが今年は気にしない。マスクをしている人も少ない」と〝コロナ明け〟を実感しつつ「物価高なので1泊にした。できるだけ安く楽しもうと近場を選んだ」と話した。
多くの人が行き交う沼津港周辺。駐車場には首都圏や中京圏ナンバーの車両が並んだ=27日午後、沼津市 静岡空港でも午前からスーツケースを持った帰省客や観光客の姿が多く見られた。夫婦で北海道旅行に出かけるという静岡市葵区の会社員金井保年さん(62)は「コロナ禍が落ち着き飛行機の便も増えたので旅行しやすくなった」と笑顔を見せた。家族で沖縄に向かった静岡市駿河区の会社員小林絢乃さん(43)は「円安なので海外よりも国内の方が旅行しやすい」と語った。
雨の中、園内を散策する来園者=27日午後、浜松市中央区の浜名湖ガーデンパーク 浜名湖花博2024が開催中の浜名湖ガーデンパーク(浜松市中央区)では県内外の団体客らが庭園の散策や屋内の体験会を楽しんだ。大型連休中は日帰りで近場の観光を楽しむという静岡市清水区の主婦伊藤ソノ子さん(70)は「きれいな植栽に癒やされた」と満足げな様子だった。主催者によると、雨で出足が鈍く、28日以降の客足の回復を期待する。
 東名や新東名の高速道路で渋滞はなかった。JR東海静岡支社によると、東海道新幹線は27日午前、静岡駅発着の上り「ひかり」の自由席乗車率が最大130%になった。連休中の利用のピークは下りが5月3日、上りは6日と見込まれている。旅行大手JTBの担当者は「コロナ前の旅行状況に限りなく近づいた」と語る一方で、円安や物価高の影響で旅行費用が高騰し、「遠出する人と近場で済ませる人に傾向が分かれる」と分析する。

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