能登復興願い凧高く 避難の家族「気持ち熱く」 石川出身者ら拳上げ決意【浜松まつり’24】

 3日開幕した「浜松まつり」の凧(たこ)揚げ会場で、能登半島地震の被災地を応援する浜松市の凧が揚げられた。石川県輪島市から浜松市に避難してきた4人家族が参加し、ふるさとへの思いを胸に、凧糸を力いっぱい引っ張った。凧糸を引っ張る松尾和広さん(手前右端)一家=3日午前、浜松市中央区
 松尾和広さん(50)と妻朋子さん(43)、長男暢大さん(12)、次男瑠大君(7)一家。和広さんは愛知県出身で、18年前に脱サラして単身能登へ移住。栗の生産と加工に従事してきたが、地震で住宅が半壊、加工などを行う作業場は全壊した。農園は無事だったが、和広さんは当時の心境を「終わったと思った」と振り返る。凧揚げに参加した松尾和広さん(右端)一家‖浜松市中央区(写真部・二神亨)
 浜松市への移住は仕事を通じて知り合った菓子メーカー春華堂(中央区)の社員の勧めで決めた。現在は農園のある石川県能登町を行き来する2拠点生活を送る。収穫を終えた秋以降は農園を友人らに引き継ぎ、浜松で焼き栗の加工業などに専念する予定という。
 「浜松まつりに被災地を代表して呼んでもらった。気持ちが熱くなった」と和広さん。応援メッセージの記された凧が天高く揚がると、一家や浜松在住の石川県出身者らが「がんばろう能登」と拳を突き上げた。浜松まつり初日に揚げられた能登半島地震の被災地を応援する凧(写真部・二神亨)
 「能登は第二の故郷で、今も大好きな場所。今度は浜松から、栗を通じて能登の皆さんを幸せにしたい」。大空を泳ぐ凧を見つめ、決意を新たにした。
 (浜松総局・仲瀬駿介)

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