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新たな感染症に備え 病床確保を平時から確約 静岡県、医療機関と協定へ コロナ5類移行1年契機

 静岡県感染症管理センター(三島市)は近く、静岡県内の医療機関と、新たな感染症危機に備える医療措置協定の締結を始める。新型コロナウイルス禍当初に入院病床や発熱外来の確保が課題となったことを踏まえ、有事の患者対応を事前に約束しておく内容。医療機関は千を超える見込みで、新型コロナの5類移行から1年を契機に、平時からの「オール静岡」体制の構築に着手する。

 「協定指定医療機関」となる施設は、コロナの2類時に病床を提供してきた病院や、発熱外来として機能した診療所。県が今春全面改定した感染症予防計画によると、協定機関との連携により、感染症危機当初(国内発生から3カ月以内)の入院病床数を400床程度、それ以降(4~6カ月)は700床程度まで増やす方針。発熱外来も当初760カ所、それ以降は930カ所の開設を目標とした。
 新型インフルエンザなど新興感染症の危機について国が公表した場合、同センターが司令塔として一定の権限を持ち、地域の感染状況を見ながら協定機関に受け入れ対応を要請する。コロナ禍では県内の医療体制が最大値になるまで約3年かかったのを半年で実現させ、早急に体制を整える。
 国は2022年に感染症法を改正し、各都道府県に対して新型コロナ対応を念頭に新たな感染危機への準備に取り組むよう求めた。県はコロナ禍での実績を基に各施設に協定の意向を照会し、改正計画で病床数などの数値目標を明示した。病床数の目標値は国のガイドラインをベースにした数値の8~9割に当たる。県は「人口減少に伴う一般病床の動向や、病床の確保による各地の医療体制への影響を見据えて必要量を設定した」としている。
 (社会部・大須賀伸江)

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