自転車事故VRで疑似体験 ヘルメット着用促進 若年層に注意喚起 沼津署、県東部で初導入

 沼津署、沼津市、清水町などでつくる沼津地区交通安全連絡協議会は本年度、仮想現実(VR)ゴーグルを活用した自転車事故防止啓発活動を展開する。同署管内では昨春に努力義務化した自転車利用者のヘルメット着用率(昨年度)が、県内最低の5%(県平均10.6%)にとどまったことから実施を決めた。VRによる啓発は県東部初で、特に自転車利用が多い若年層を対象にリアルに近い体験を通じて注意喚起する。

VRゴーグルを使って自転車事故を疑似体験する学生ら=沼津市杉崎町のストリートスポーツパーク
VRゴーグルを使って自転車事故を疑似体験する学生ら=沼津市杉崎町のストリートスポーツパーク


 8日には、高校が多く並ぶ学園通り沿いの「ストリートスポーツパーク」(沼津市杉崎町)で体験イベントを初開催した。VRで信号無視や一時停止、右側通行、携帯電話使用の状況で起きた自転車事故を疑似体験でき、署員らは下校後の生徒らに体験を促し、着用を呼びかけた。
 同署管内では4月下旬、同市植田でロードバイクが絡む死亡事故が発生した。VRを体験した男子高校生(15)は「ヘルメットをしているのはクラスで1人くらい。恥ずかしいし、危険な目に遭わないと定着しないかも」と話す。交通課の半田高志警部補は「若者も興味を持ちやすいVRを活用して、学校で啓発機会を増やしていく」と話した。
 (東部総局・菊地真生)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞