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【Jリーグ開幕】静岡県勢4チーム、静岡新聞各クラブ担当記者イチオシの選手は誰?

静岡トピックスを勉強する時間「3時のドリル」。今回のテーマは「2024Jリーグ開幕」。先生役は静岡新聞運動部の寺田拓馬専任部長が務めます。(SBSラジオ・ゴゴボラケのコーナー「3時のドリル」2024年2月22日放送)

(寺田)サッカーJリーグ1部が23日開幕します。2シーズンぶりにJ1復帰したジュビロ磐田は24日、ホームで昨季王者のヴィッセル神戸を迎え撃ちます。J2は清水エスパルスと藤枝MYFCの県勢2チームがしのぎを削り、J3ではアスルクラロ沼津がJ2昇格を目指します。

(山田)楽しみですが、寺田さんたちは忙しくなりますね。

(寺田)またこの季節がきたなという感じですね。今季はリーグの仕組みが大きく変わるので、そこから説明したいと思います。 

昨季はJ1が18チーム、J2が22チーム、J3が20チームと不均衡でしたが、今季からすべて20チームになりました。

そして昇格と降格はJ1からJ3まで統一した方式になり、3チームずつ入れ替わることに。去年は不均衡だったこともあって、J1から降格したのは横浜FCだけで、J2から町田と磐田、東京Vの3チームが昇格しました。J2、J3は2チームずつの入れ替えでした。 

今後はJ1、J2ともに下位3チームが自動降格となります。J2、J3の上位2チームが自動昇格し、それぞれの3~6位のプレーオフを勝ち上がった1チームも昇格します。 

これからは昇降格が頻繁になります。 なぜか?

対象になるチームのサポーターはやきもきすることになると思いますが、JリーグとしてJ1だけじゃなく、J3までリーグ全体を活性化させたいという思惑があります。 

トーナメントで戦うカップ戦、今でいえば「ルヴァン杯」。これも変わります。昨季まで基本的にJ1チームだけでしたが、開催方式が変わり、今季からJ1~J3まで60チームで争うことになりました。



(山田)となると、沼津と神戸が対戦することもあるってことなんですね。

(寺田)天皇杯のように下のカテゴリーのチームが番狂わせ、ジャイアントキリングを起こすかもしれません。注目ですよね。

 Jリーグとプロ野球の違いは?

この改革はJリーグの理念に基づいているんですね。Jリーグへの参加はオープンで常に門戸は開いている。 ちょっと難しい言葉を使うと「開放的統治」。プロ野球とは違うんです。

プロ野球は今季、静岡でハヤテが2軍のリーグに加盟が認められましたが、いくら勝っても1軍のリーグには上がれない。

Jリーグの開放的統治に対して、プロ野球は「閉鎖的統治」。戦力を均衡に保つために、新入団選手もドラフト会議で決めています。

 どっちがいい、悪いの話ではありません。成り立ち、考え方が違うんですよね。プロ野球はプロ野球で、イチロー選手や 二刀流の大谷選手など、世界で通用する選手を次々に輩出し、安定した人気があります。 

Jリーグはプロ野球に比べて後発だったので、別のやり方を考えた。 Jリーグ100年構想の話も以前しましたが、サッカー競技の振興だけじゃなく、サッカーを通じて地域全体を活性化させたいという理念があるんですよね。

(山田)よく「アメリカ型か、ヨーロッパ型か」みたいな話がありますよね。 

(寺田)どんなチームでも地域リーグからJFL(日本フットボールリーグ)へと勝ち上がっていき、スタジアムや下部組織など条件を満たせば、Jリーグ入りへの道が開かれています。

Jリーグのクラブは強さ、リーグのカテゴリーだけじゃなく、どれだけ地域に必要とされているか、 本当にこれが大切なんですよね。新しいシーズンが始まる前にこれは強調しておきたいと思います。 

Jリーグクラブが最も多い県は?

(寺田)全国にはJリーグクラブが60チームありますが、最も多い都道府県はどこだか分かりますか? 

(山田)静岡は多い方だと思うけれど、1位ではない。ではどこだ。

(寺田)神奈川の6チームです。川崎、横浜M、横浜FC、湘南、相模原、YS横浜。4チームの静岡は2番目なんです。東京、大阪は3チームしかない。 

逆に空白県は分かりますか?。福井、三重、滋賀、和歌山、島根、高知の6県です。ちなみに、このうち三重、滋賀、高知にはJFLのチームがあってJ入りを目指しています。 

お隣の愛知県も名古屋グランパスだけ。ほとんどの県が1、2チームなんですよ。やはり静岡はサッカー王国。サッカーが社会や文化の中に根付いているといえます。

選手からよく聞く話ですが、近所のスーパーで主婦の方に「あんたサッカー選手でしょ。頑張って」って声かけられるのは静岡だけだって言うんですよ。

(山田)なるほど。胸を張っていいところですね。

静岡4チームの展望

(寺田)前置きが長くなりましたが、静岡4チームの展望についてお話したいと思います。各番記者にイチオシの選手も聞いてきました。
 
まず磐田。2季ぶりにJ1に復帰しました。昨季は補強禁止処分を受けていましたが、今季は15人が新たに加入しました。

横内監督体制2年目。番記者のイチオシ選手はリーグ最年長、40歳のGK川島永嗣選手。練習初日からランニングで先頭を走って、チームを引っ張っていたそうです。

(山田)かっこいいなあ

(寺田)次は清水エスパルス。MF乾貴士選手、GK権田修一選手ら元日本代表のスター選手がいて、J2屈指の戦力を誇っています。昨年はプレーオフの最後の最後、あと1点、あと数分でJ1昇格を逃しました。

番記者のイチオシは甲府から加入したボランチの中村亮太朗選手。

鹿島や甲府を経て、清水に来ました。中盤でボールを受けて、少ないタッチで前線にボールを供給する。攻撃にリズムをもたらすことができて、読みも鋭く、攻撃の起点になるプレーが特長だそうです。
 
私が担当する藤枝MYFCは後回しにさせてください(笑)。

J3のアスルクラロ沼津は元日本代表の斎藤学選手を獲得するという大きなニュースがありました。これは楽しみ。

沼津はチーム得点王だったブラウンノア賢信選手が移籍した穴を埋められるかがポイントになる中で、番記者が推すのは持井響太選手と津久井匠海選手。この2人がどれくらい活躍できるかに注目です。

藤枝は1万人収容のスタジアムに

(寺田)そして藤枝。期待したいのは大卒新人の浅倉廉選手。静岡学園高校が全国優勝した時のメンバーで、今季は背番号8をつけます。10番だった横山選手の抜けた穴を埋めてほしいなと思います。

(山田)藤枝は地元選手も多いですよね。

(寺田)新加入では、清水桜が丘高ー常葉大から加入した前田翔茉選手がいます。スピードスターで面白いですよ。大化けしてほしいのは、パリ五輪を目指している21歳の中島大嘉選手ですね。

(山田) 藤枝といえばスタジアムを改修したんですよね。

(寺田)そうなんです。バックスタンドの改修が終わり、1万人を収容できるようになりました。クラブは開幕戦での1万人集客を目指して取り組んでいます。チケットの売れ行きを聞くと、もうちょっとで到達するらしいです。

(山田)僕もチームに話を聞きにいったら、選手も「1万人」の話をしていました。

(寺田)今季は360度声援を受けられるから、選手も楽しみにしています。 

(山田)いよいよ開幕ですね。ぜひ注目を!きょうの勉強はこれでおしまい!
 
シズサカ シズサカ

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