公正な経済、法の支配 発信 首相、5月1日から仏、南米訪問

 岸田文雄首相は5月1~6日の日程でフランス、南米のブラジルとパラグアイを歴訪する。パリでは経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会で演説し、ルールに基づく公正な経済成長の重要性を発信。生成人工知能(AI)の国際ルール形成を主導する考えを表明する。首相に就任して初の訪問となる南米では、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化へ連携を図る考えだ。

首相の主な歴訪日程
首相の主な歴訪日程

 日本は今年、10年ぶりにOECD閣僚理事会の議長国を務める。2日に予定する演説では、生成AIを巡る国際的なルール形成の枠組み「広島AIプロセス」の定着に向けたメッセージを打ち出す。フランスのマクロン大統領と会談し、安全保障やインド太平洋地域の安定に向けた協力強化を協議する。
 ブラジルは今年の20カ国・地域(G20)議長国で、3日の首都ブラジリアでのルラ大統領との会談では、貿易投資の促進や気候変動対策で協力を申し合わせる見通し。中国、ロシアが入る新興5カ国(BRICS)加盟国でもあり、日米欧が重視するルールに基づく国際秩序の重要性を確認したい考えだ。
 南米で唯一、台湾と外交関係のあるパラグアイとは3日にペニャ大統領と会談し、東アジアを含む国際情勢を議論する。
 4日にブラジルに戻り、サンパウロで対中南米政策に関するスピーチを行う。在ブラジル日系人の被爆者とも懇談する。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞