おまち歩行者天国平日も 静岡・紺屋町名店街 “玄関口”活性へ今夏

 JR静岡駅北口側に広がる静岡紺屋町名店街の一部街区で今夏にも、土日祝日に実施している歩行者天国(車両通行止め)を平日に拡大する。構想から15年かけて実現する中心市街地の活性化策で、商店主らは店舗改修やイベント企画など“おまちの玄関口”のにぎわい創出に向けて思いを巡らす。

静岡紺屋町名店街が平日歩行者天国を実施するエリア
静岡紺屋町名店街が平日歩行者天国を実施するエリア
平日に歩行者天国実施予定のエリア。田丸屋本店(右)などの商店や大型施設が立ち並ぶ=27日午後、静岡市葵区紺屋町
平日に歩行者天国実施予定のエリア。田丸屋本店(右)などの商店や大型施設が立ち並ぶ=27日午後、静岡市葵区紺屋町
静岡紺屋町名店街が平日歩行者天国を実施するエリア
平日に歩行者天国実施予定のエリア。田丸屋本店(右)などの商店や大型施設が立ち並ぶ=27日午後、静岡市葵区紺屋町


 同名店街の3街区のうち、静岡パルコや葵タワーに面した2街区約170メートルについて、午前11時~午後6時の歩行者天国を平日にも拡大する。各種イベントや物販を行ったり、憩いのスペースを設けたりする計画だ。
 歩行者天国が拡大される区間にある、わさび漬けの老舗、田丸屋本店は2月に改装オープンしたばかり。新型コロナウイルス禍からの人出復調を見込んで新たに店内飲食スペースを設え、ワサビとかつお節を使ったどんぶりメニューやわさびソフトクリームを提供する。営業企画室の松永千恵係長は「ワサビのおいしさを伝えつつ、街を盛り上げていきたい」と話す。
 「人が、まんなか」をコンセプトにしたまちづくりプランを2008年に策定した同名店街は、歩行者優先の道路空間実現に向けて議論を重ねてきた。平日の歩行者天国化を目指して行政と連携し、道路改修や放置自転車対策などが進んだという。静岡市の担当者は「将来的には実施時間延長や別の名店街エリアでの歩行者天国展開も模索したい」と希望を抱く。
 同名店街の服部功理事長(68)=服部蒲鉾(かまぼこ)店店主=は「カジュアルな雰囲気を演出して、若者の購買意欲を喚起したい」と言葉に力を込める。弁当販売や新製品のPR、移動図書館など平日でもにぎわう通りにするための知恵を絞る。官民参加の「紺屋町ストリート実行委員会」を中心に、企画開発に向けた話し合いも進む。

 静岡紺屋町名店街 静岡市葵区の呉服町スクランブル交差点から国道1号線に向かう、呉服町通り沿いの3街区で構成する。静岡商工会議所が2022年11月に行った中心市街地通行量調査で「静岡パルコ・トラヤ前」は1万4856人と人通りは多い。ただ新型コロナウイルス禍で事業環境が悪化する中、JR静岡駅直結の地下街は空き店舗が目立つ。駅至近の一角ではビル再開発の計画もあり、活性化が期待されている。

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